国がやる事業はいつもそうだが、政府、官僚と民間企業との既得権益による事業、カネの奪い合いだ。政権の主導が財務省なら財政健全化、今回のように経産省なら中小企業支援で財政出動だ。
思い出してみよう。あの民主党政権の「事業仕分け」の始終を。今と同じようなことが繰り返される。今は表では国会審議で与野党の議論、裏では野党による合同ヒアリングだ。表より裏舞台の方が真相がわかる。
新型コロナウィルス対策で中小企業を最大で200万円支援に2.3兆円つぎこむ持続化給付金事業が、その不透明さから国会で追及されているが、例によって野党は正論を破棄、政府、官僚はあいまいな答弁で逃げようとする。
経産省は「サービスデザイン推進協議会」に769億円で委託した事業がさらに電通に749億円で再委託され、さらにグループ企業に外注されているのだ。
たった21人の協会に重要な政策を巨額で委託する経産省に驚くが「この種の事業に経験がある」というのだ。たった21人の協議会でその能力があるのか。我々にはすぐには理解できないが、何かの経緯があるのだろう。トンネルマージンを取って電通に再委託だから、そのことは予想できる。
大体私の経験では委託契約する場合は「再委託」を禁ずる場合があるが、今回は再委託を前提にしている。
事業者は管理費を10%とみており営業利益は少ないという。安倍総理も「真に必要な経費はらっており、を不正な所得を得る余裕はない」という。
ところが経産省は公認会計士を含めた専門家による検査を始めるというが、選任する公認会計士も経産省の息のかかった連中だろうから期待はできない。
あの民主党政権での「事業仕分け」は官僚による「事業とカネ」の実態を目の当たりにしてくれた。「だらだら時間をかけて説明しなければならない事業」、「大雑把な予算」で「見直し」「廃止」の判定を受けてもいつの間にか復活、おまけに事業内容を少し変えて焼け太りだ。
税金の無駄遣いをあぶりだすことはできたが、利権構造を崩すことはできなかった。
安倍政権はここぞとばかりに予算の大判振る舞いをし、財政健全化はさらに遠のいた。事業支援、生活支援が悪いとは言っていない。無駄な予算配分は控えるべきなのだ。互いにもつれ合って利益を貪る利権構造はつぶすべきだ。
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