週刊新潮 7月2日号(2020年) |
たまたま今朝(2020.6.25)午前5時前にそろそろ起きようかと思っていたら何か「グラグラ」し10秒後に収まった感じで、NHKラジオで地震情報を繰り返し流していた。テレビの切り替えると、震源は千葉県東方沖、M6.2、深さ30㎞、震度5弱という。
この辺はスロースリップの多発地帯の周辺部だ。3.11東北地方太平洋沖地震では震源域の南北に割れ残りの地域が残っているが、その南の部分だ。いつ割れてもおかしくない。専門家は警戒ゾーンという。
ここが動けば相当な被害が想定される。1987年にはM7の千葉県東方沖地震が発生、九十九里から三浦半島にかけて被害が出たようだ。
そこで予知できれば人的被害を最小限に食い止めることも可能になり、地震予知は不可能と言われながらもわずかな研究者がコツコツ研究を続けているのが現状だ。
その一つに電波異常がある。普段は聞くことができないFMラジオがあるとき聞くことができたというFM電波異常から地震予知の研究をしていた八ヶ岳南麓天文台のアマチュア研究者の串田さんが2003年ごろ、FM電波異常から9月20日に南関東でM5.6の地震の発生を公表したが、当たらなかったことがある。普段はわりに的中していたというのだが肝心な時に外れたのだ。それ以降、名前を聞くことはなかった。
地震学者は予知などできないという。地震学者は新しい予知技術にはなじまないようだ。彼らが信じているのは「井戸水の推移」ぐらいだ。
週刊新潮の記事によると、京大の梅野教授の研究が地震予測システム「S-CAST」として実用化が近いという。M6以上の地震が1日もしくは数時間前に予測できるというのだ。
原理は、地上80~1000㎞に電離層があり、電離層のデータを分析すれば地震の発生の1日前に電子数の異常な増加がとらえられるという。
電離層は地球のエネルギー変化を受ける。地中の「ひずみ」が蓄積する間、地震エネルギーを少しづつ開放、熱エネルギーや電気エネルギーに変換、電磁波が発生、この影響を受けて電離層の電子数が増える。これが地震の前兆現象なのだ。
電子数の変化をとらえるために花山天文台、潮岬観測所でデータの収集をしているという。
理論の元は電通大の早川さんだ。その当時、串田さんばかりでなく電通大学の電磁気学の早川さんや北大の研究者など大学の研究者が同じような地震予知に取り組んでいた。
実用化も進めている。富士防災警備と共同で「S-CAST」、京大の「GPS-TEC解析」で週に2回メールで警戒レベルを発信しているという。
あらかじめ地震情報がわかれば「助かる時間を生み」防災に役立つのだ。
同じようなことを測量学の村井先生もGPSでの測位データから地殻変動が4cm以上になった地域に警戒情報を流している(週刊ポストで時々情報が出る)。
面白いことが書いてあった。中国やロシアでは中長期の地震予測は地震学者、短期の地震予知は物理学者と担当が決まっているのだ。
物理は自然界の動きを決めている。物理法則で動いているのだ。だから物理学者の予知研究への参加は望ましい。一方地震学も最近は地震考古学、古文書から過去の地震情報を読み取り発生周期から次の発生を予測している。
寺田寅彦博士も「決まった場所に繰り返す」という。巨大地震は必ず襲ってくるのだ。予知だできれば生命、財産を守る時間が稼げるのだ。
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