9月22日の日銀決定会合後の植田総裁の記者会見 何時も変わらないコメントが続く テレビニュースより |
物価目標2%をすでに超えて17か月、今3.1%、それでも日銀は賃金と物価の好循環」に程遠いと従来の緩和政策を維持する。確かに賃上げは大企業中心に3%を超えだが中小企業以下は未達で時間給だって1000円を否定する。
今の物価は米国との金利差による円安、輸入品の物価高が影響しているし、円安で儲けを出している企業も多いが、全体としては日本安売りで「日本は安い」といって訪日客が増える。中国客は日本に押し寄せるが何故か馬鹿にされているようだ。
円安の要因は米国との金利差だ。これを改善するにはゼロ金利策を見直すことだ。前回YCCの見直し(廃止ではない)で市場は動いた。長期金利は0.7%を超えた。住宅ローンも見直しだ。
実際に米ドル定期預金は0.01から5.3%へ、ネット銀行も5%(朝日新聞2023.9.20)、FRBは長期金利を5.25~5.50%を維持するという。
経済(金融)政策はやってみなければわからない。速水総裁の時、政府に反対を押し切ってデフレ脱却で利上げに踏み切ったが市場は縮小、デフレに逆戻りした苦い経験がある。日銀が今判断を先送りしているのはこの経験が尾を引いているのだ。
植田総裁は緩和修正の時期は「来年の春闘」が判断の重要な根拠になると言い、年末には動向がわかるだろうという。経済界が春闘にどう対応するか、労働界がどう対応するか。米国のようにストライキで対応するのか。
そんな時野口悠紀雄さんが「プア・ジャパン 気が付けば貧困大国」(朝日新書 2023.9)を出版された。
それによると「物価が上がれば賃金が上がる」という金融緩和と円安政策で破壊されたと言う。日本経済は新しい技術、新しいビジネスモデルが考えだされなければ変化しないと日本経済構造を変える必要性を説く。そして各種経済指標を掲げて「これからも「賃金は上がらない」というのだ。
製造部門は生産性も上昇し賃金も上がっているが、生産性が低く就業者も増加している部門、例えば介護・医療分野では賃金も上がらない。デジタル化、AIで新しいビジネスモデル、イノベーションが必要なのだ。
政府は補助金政策でごまかしているが、本来は産業構造、社会構造を改革することが必要なのだという。司会、一朝一夕でできる政策ではない。
日銀の狙っている物価、賃上げの好循環が見られないうちに緩和縮小、利上げが必要になるのだ。米国をはじめ諸外国は緩和策縮小、利上げでインフレ回避にあたっれいる。日本だけが何周化の遅れで、トップについているのか。野口さんの言う「気が付けば貧困大国」は現実になっている。見慣れた経済指標はことごとく下位なのだ。
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