これぞ、公害問題で苦しむ被害者を守る判決、今後良い教訓として生かすべきではないか。裁判長が女性と言うこともあって女性の感性を生かした判決になっていないか。新聞報道では裁判長は不知火海に出たし、小高い丘の上から街を望んだという。地域住民の生活を把握するためだったのだろう。
なかなかできることではないが、裁判は実生活の理解の上に立って判断すべきで、ただ法の解釈、国や企業に忖度することであってはならない。
今回は特措法で漏れた被害者を救済できたが、上級審に行くにしたがって原告が不利になる。この判決を無駄にしてはいけない。
評価される要点は
○国や法でいう救済基準である「地域」ら「年代」の違いで線引きから漏れ、訴訟の対象外だった被害者を救済できたことだ。対象地域外でも魚介類の流通を考えると地域の要素が重要になる。
○水俣湾周辺地域に1年以上住んだことが救済の基準になっていたが、魚介類の流通を考えると対象地域外でも継続的に魚介類を取っていればメチル水銀を接種したと推認できること。
○WHOや国は水銀50ppmを神経障害の発症基準と考えているが、長期の暴露によっては発症する可能性を否定できないという。これまでより広範に水俣病と判断できるとした。
そして対象外だった128人の原告全員に損害賠償を認めたのだ。
国民の常識から考えれば「当たり前の判断」がどうしてできなかったのか。裁判の非現実性がわかる。だから裁判官を民間に出して常識を教育するつもりもあったのだろうが、世の中は忖度だらけだ。
同種の訴訟はほかに3カ所で起こされている。この訴訟がどう影響するか。
裁判では最高裁の判例をはじめ過去の判例が参考にされるが、無理な判決は修正し、国民に役立つ判例を構築してほしい。
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