2016年10月10日月曜日

それでもアベノミクスを加速?:投資家は「売り越し」、経済財政諮問会議は「触れず」

それでもアベノミクスを加速というのか。海外投資家は既に「売り越し」、安倍政権の経済政策をヨイショする経済財政諮問会議では「アベノミクス」の言葉も出てこない。既に経済学者はアベノミクス破綻、見直しを要求しているし、経済界も日銀のマイナス金利に深入りを警戒している。2%物価安定目標も起期限が付かず「出来るだけ早く」という。

安倍総理はアベノミクスの成果を株価に求めているが、海外投資家は売り越しに出ている。それでも16000円台を維持しているのは日銀のETF買い入れを倍の6兆円に増やしたことにある。

アベノミクスの3本の矢も新3本の矢、G7版3本の矢と矢継ぎ早に打ち出しているが11本の矢は弱い。経済財政諮問会議で民間委員が3本の矢は11本ではなく3本を束ねて使うのだと言うが、いい訳に聞こえる。

金融政策は異次元の量的緩和に市場が答え、円安、株高になったことは確かだがその後は世界経済の動向に左右され思うように行かない。日銀も「総合的検証」をやったが言い訳ばかりだ。

財政出動も1050兆円にもなる借金は対GDP比で200%を越え、先進国一悪い。景気対策を優先する安倍政権でも税収は増えるも借金も増えている。各国は赤字をGDP比3%以内にしようとしているがとてもではないがそんなレベルではない。

成長戦略も何時も話題にはなるが、出てくる政策に目新しさはなく経済界は要求するばかりだ。

アベノミクスの評価を株価に求めているが、一時20000円台になったが今は16000円台で官製相場だ。いつでも下落する危険をはらんでいる。

日銀は、「必要なら躊躇なくやる」と強気の発言だが、本音は何も出来ないのだろう。長期金利の操作に方向転換したが、金利の操作は日銀の伝統的な金融政策だがゼロ金利下ではほとんど効果なしというのが通説ではないか。

投資家にも見捨てられ、日銀も策なし、更に経済財政諮問会議も言及を避けているアベノミクスに先はあるのか。

日銀が言うには、「しつこいデフレ」で、長いデフレは予想物価上昇率が過去の実績を引きずっていると言うが、民間議員は2%目標には届いていないがトレンドは変化しており「デフレ状態」ではないという。この考え方は安倍総理も言っている。

物価を上げ、賃金を上げるのではなく、物価と賃金を一緒に上げる必要があると別の民間議員が言う。大企業は賃金上昇3%を高い目線で目指せとも言う。

先の新聞報道でも安倍政権は官製賃上げを要求しているが、経営者はいろんな考えがあるようで政府の思うようには行かないだろう。

ところが、麻生さんが重要なことを発言している。

デフレが悪いのではなくデフレでも好況な時があったと言う。1989年の株価は38900円、その後8000円になったが今は16000円台だ。収益が上がっているのに投資に振り向けない企業家が悪い。内部留保は380兆円、現金、預金は220兆円になっている。麻生さんは先に企業家の質の問題だと言ったことがある。

これに対して民間議員が220兆円と言うが、企業の運転資金の1.6月分で適正な範囲を反論していた。

賃金上昇に効果がないのは、そのうちの40%が社会保障に消えているからだとも言う。だから社会保障、教育などに改革が必要なのだ。政府は働き方改革で賃上げを目指すようだが、どうなることか。


安倍総理は総括で金融政策の効果は出ている。2%の物価安定目標を出来るだけ早期に実現するものと理解し歓迎したい。金融政策が市場関係者にしっかり伝わる事を期待したいという(第15回経済財政諮問会議議事要旨より)。

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