2016年10月14日金曜日

中央卸売市場設計プロポーサル:盛り土、地下空間、有害物質は重要課題でなかったのか

中央卸売市場(豊洲市場)の設計などプロポーサル技術審査では盛り土、地下空間、有害物質、耐震性は重要課題になっていなかったのか。揉める豊洲移転問題、情報公開請求でも重要な部分がのり弁であったが、ここに来て第3回中央卸売市場設計など業務プロポーザル技術審査委員会の議事録が明らかになり日建設計、久米設計2者のヒアリング結果が分かった。

2者のヒアリング結果は総合点で1位が日建設計で100点満点の80.72点(ヒアリング評価は21.30点)、落選したのが久米設計で73.39点(ヒアリング評価は17.10点)、議事録を見ても日建設計の出来レースの感がした。

テレビの昼の情報番組が、東京都と設計会社との間に「盛り土不要」の約束事が出来ていたとの疑惑を報じた。

提案会社は2社と言うことだったが1位の設計会社(日建設計)は、土壌汚染工事を建物の基礎底盤で止め埋め戻しを最小限にする事による盛り土工事の省略でコスト削減と工期短縮が出来ると提案、委員からどのくらいの期間が短縮出来るのかとの質問に1~2ヶ月と答えていた。

もう一社は議事録から久米設計だ。盛り土をどう考えていたのかと議事録を見ても何ら言及していなかった。

土壌汚染対策での専門家会議の提案である盛り土、地下空間、有害物質、耐震性についてそれほど重要視されていなかったのか。重要であれば設計会社ももっと積極的に提案しているはずだ。また、設計会社が勝手に無視することは出来ず都から何らかの指示があったはずだ。

議事録から2社の設計会社のプロポーサルを見ると圧倒的に日建設計が有利な提案をしている。最初から日建設計ありきの感がする。

委員は9人で、前回技術提案書の理解度、的確度、実現性を審査、提案は15分、質疑が25分で決められた基準で採点されるのだ。

日建設計のキーワードは「つくる」だと言い「豊洲の風景」「最先端の市場」「長く愛される市場」作りを目指し、築地のブランドは残し市場関係者との合意形成の重要性を主張している。たとえば、荷さばき場は2階、拠点配送センターは4階にしたという。

でもスペースは狭くマグロの捌きが難しいとか海水が使えず真水では最近が繁殖する不衛生な面があるなど市場関係者から苦情が出ているのはどういうわけか。

施設の使用料を今の築地と同じように低減してほしいとも言う。これに対して建設費の削減、ランニングコストの低減として、建築物の低層化、工期短縮、保守管理の低減を提案、CO2削減では太陽光発電、屋上緑化、雨水の利用、省エネ東京仕様2007の採用、長寿化とメンテナンスでは配管類をピット内に収め、有害物質、クラック防止のためにしっかりした床を設けるのだ。

盛り土工事の省略もコスト削減、工期短縮など無駄を省く発想から出て来たようだ。

一方の久米設計は、関係者との合意形成を大切にし、食の安全確保、将来の変化、労働環境、バリアフリー、観光スポット、最先端グリーン市場を目指し、CO2削減50%、空調に工夫、地域冷暖房、外気処理、地中熱の利用、杭による段階的な水の利用などで空調の効率化を目指すというのだ。

これらから考えても日建設計の優位は明らかだ。

それにしても前回の情報公開請求ではのり弁状態だったのが急遽、オープンになって議会ではなくHPで公開された。都議会は閉会したが特別委員会で審議は出来ると言う。おかしな東京都の判断だ。

小池知事は幹部の更迭をすると言う。メデイアではもう名前が挙がっている。都議会での答弁を見ていても最後は間違いを認めたが、東京都の役人の「お仕事」は理解に苦しむ。


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