2021年2月15日月曜日

男女平等?:小池都知事は良い女性登用の事例になるのか

 

森組織委員会会長の女性蔑視発言がジェンダーフリー(男女平等)問題まで発展、次の新会長選びも大変になってきた。オリンピック開催の是非、開催時は無観客か否かなど重大な局面が迫っているのに、「女性が良い」「もっと若い人を」「世界的に名が通っているアスリートは」「政治家はよしたほうがいい」などテレビの情報番組でのコメンテーターの発言は活発だ。 

確かに人口の半分は女性なのに日本での女性登用は低い。「事あるごとに女性登用」「閣僚人事で女性が登用されるとサプライ人事」とメデイアははやし立てる。そんなことを言っている問題ではないのか。 

女性だろうが、男性だろうが、その立場で目的を完遂できる人材を当てるのが筋ではないか。 

男世界に切り込み東京都知事になった小池さんはメデイアを旨く活用し劇場型政治で新型コロナ対策では「後手後手」の菅政権の尻をたたき、今回の森発言では「森おろし」のきっかけを作り、来る都議選では自民党都連とのギクシャクした関係を修復すべく二階幹事長と接近している。 

「機を見るに敏」といわれそれぞれの局面で独特の動きをしているように見えるが、本当に都知事として評価できるのか。 

東京都知事は昔は美濃部さん、鈴木さん、最近では週に2回しか登庁しなかった石原さんはジーゼル車による大気汚染に取り組んだ。そして時再に都政は特別秘書が采配を振るっていた。ついで猪瀬さんは徳州会から5000万円をもらう「政治とカネ」疑惑はバッグに5000万円が入るかどうかがテレビ報道された。舛添さんは公用車で湯ヶ島の別荘に通い公私混同が問題になった。腰が悪いので広い湯船のある別荘に行っていたという。 

都庁の役人はしっかりしているから知事がどんな人間であれ70%は大丈夫といわれ、知事は好き勝手なことをやっていたが、都知事にろくな人間がいないのか。

こんな男社会の都知事に衆議院議員の小池さんが挑んできた。自民党では活躍する場がなくなったと見た小池さんは当初、自民党に公認をしてくれと言ったが自民党は公認せず増田さんを立てた。これをきっかけに自民党と対峙することになった。

自民党都連をブラックボックスと言い議会を牛耳っていた内田さんを敵に回した。増田さんに比べ知名度からも優位に立った小池さんが都知事に当選した。 

まず手をつけたのが石原さんが推進した築地から豊洲への市場移転だった。環境問題、構造的な問題も多く出てきて移転延期になったが、やっぱり豊洲ということになった。「ではこの1年はなんだったのか」ということになった。 

国政進出をにらんでのことか。希望の党を設立、当時泥舟だった民進党から議員がなだれ込んだが、入党に際しては「選別します」発言が小池さんから出て一気に人気を落としていった。「小池さんってそんな人間だったのか」ということになった。 

地方政党として「都民ファーストの会」も設立し都議選に勝利したが党運営は小池さんの独断専行で、小池さんを都に迎え入れた都議らが離反する事態になった。 

メデイアは都民ファーストの会の力は落ちてきたと報じる。「これじゃダメ」と今まで敵に回していた自民党、自民党都連と関係修復を目指し二階幹事長に近ずく。メデイアは小池さんが国政復帰をにらんでの行動と見ている。 

新型コロナウィルス対策では小池さんの能力を遺憾なく発揮した。「後手後手」感の強い政権に対してたびたび官邸を訪れ政府の尻をたたく様子をテレビで世界に公開した。緊急事態宣言発出では先走る小池知事のために政府はタイミングを失したとも言う。生活補償、事業補償では近県の知事が羨むほどの補償を発表、9000億円にも及んだが、自分の立場を有利にするための策であったことは明らかだ。 

今回の東京オリンピック組織委員会の騒動も、「4者会談には出席せず」の発言が「森おろし」のきっかけをつかんだとメデイアは報じるし、そう見えた。 

「機を見るに敏」というが都知事としてではなく自分に有利に持ち込んでいることが見え見えだ。

男と言わず、女と言わず、表舞台に出る人間は皆、利権がらみだ。国民のために無欲で勤める人材はいるのか。

 

今回の組織委員会の新たな会長選任は「男だろうが女だろうが」この危機を無難に乗り越えることのできる人材であってほしい。簡単に「受諾します」で終わるものではない。そういう点を考えると川渕案を潰したことは大きな損失ではないか。

 

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