2022年2月20日日曜日

いまだ借金してでも財政出動?:MMT経済理論は素直には納得いかない

 

自民党議員の有志が「経済再生のために財政出動せよ」と議員連盟を作ったという。投資先が見つからず、企業は内部留保、土地や株に投資しバブル経済、日銀の口座に溜まった預金を吐き出させるためにマイナス金利など四苦八苦している現状をどう考えるのか。

金利をゼロにしても設備投資は増えず、量的緩和策でも貸出量は冷えず、物価も上がらない。経済の質が変わったのではないか。 

経済指標を見ると日本はあらゆる面で他国に遅れをとっている。賃金はここ30年たったの4%の伸びで韓国に抜かれている。物価上昇2%を掲げるも素すでに9年未達、異次元の量的緩和も欧米中央銀行が縮小、利上げに向かっているが日銀は継続だ。各政権が「脱デフレ」を目指すがいまだ達成せず、欧米は5~7%のインフレで利上げで押さえ込もうとしている。 

米国が利上げすれば他の追随、日本だけが乗り遅れドル高、円安が日本経済を襲ってくる。今も円安で原油高、輸入原材料の高騰で生活に大きく影響してきている。 

悪い円安、物価上昇だが物価上昇率に見合う賃上げの必要が出てきた。 

米国では株主第一の経営から関連会社、従業員優先の経営を目指している。新しい資本主義だ。 

今、わが国の一般会計は107兆円を超え、税収も伸びているがまだ、赤字財政で国債発行に頼っている。 

一方で財政再建も急務だ。25年にPB黒字化と言うが、予測では赤字だという。IMFからは財政健全化を要請されている。海外では赤字財政をGDPの3%以内にコントロールしているが、日本は15兆円(GDP500兆円として)の約3倍だ。

そんなときに「赤字は気にするな。今こそ、財政出動だ」と言うのだ。自民党有志による議員連盟は、「政府の借金の国債を国民が買う。国民から見れば資産、足せば相殺されてゼロになる」という(朝日新聞2022.2.20 社説「足したらゼロ」は疑わしい)。 

この考えはMMT理論から来る、「自国通貨発行権のある国は赤字が積みあがってもインフレになるまで赤字で良い」と言う考えだ。ただ問題は政府の支払い能力に限界がないという点は批判の的だ。行政サイドは批判的だし、クルーグマン教授も財政出動は必要と言うがMMT理論には懐疑的だ。 

日本の国、地方合わせての借金は1000兆円を超え、GDP比200%を超えて先進国一悪いことは分かっている。しかし海外には資産もあるり、約600兆円とも聞いたことがある。GDPの80%というとそれほど心配することはないだろうが、本当のところはどうなのか。 

都合のいい理論を持ち出して巨額な借金を正当化するのは問題だ。

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