2022年2月2日水曜日

騒音対策に役立つか:音は暖かい空気より、冷たい空気の方へ曲がる

 

騒音対策は難しい。工場騒音が遠くの民家に届き問題になる。対策は騒音源を囲むか、塀を高くする(騒音は工場境界線で測定する)が、その高さを超えて遠くに進む。 

マンションでは上階の住民の音が聞こえる。遠くの階の騒音が意外な階に伝わり問題を起こす。 

音は直進し、距離により減衰すると思っていたが、違うらしい。 

   音は暖かい空気の方が冷たい空気より早く進む、②音は特定の条件下では

まがるという。直進するのではないのだ。暖かい空気と冷たい空気があるときは、暖かい空気を離れ冷たい空気の方に曲がる、③そして大気の温度分布があり上空14000mでは−50度まで下がる。したがって音は冷たい空気に向かって上方に曲がるという(「空気と人類」 サム・キーン著 白揚社 2020.12)。 

地球上では地上14000mまでは暖かい空気層だが14000mから18000mまではマイナス50度の冷たい空気層があり、それ以上はマイナス0度の温かい層だという。 

そして音は暖かい層から発しても上空の冷たい層に向けて曲がる。冷たい層で直進するが、その上層に温かい層があるので冷たい層へ下降する。更に下層に温かい層があるので上層の冷たい層に上昇する。 

つまり、サウンドチャンネルと言われる層を上昇、下降を繰り返し遠方に音が伝わるというのだ。 

このことを知っていた米国の物理学者が、ソ連の原爆実験をサウンドチャンネルにマイクをつりさげて探知しようとしたのだという(同上)。 

冷たい空気と温かい空気を利用して騒音対策ができるか。 

マンションで上階の音(騒音)に悩まされた下の階の住民はどうするか。音は柱や梁を伝わって伝搬するというが、下の階層の住民が部屋を暖めると騒音対策になるのか。一度試してみようか。

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