安倍総理が「新しい国造りの転換点」というが、国会での野党との論争がこの程度では、何を信じれば良いのか。時の政権が自らの政策の成果を主張する時、ある程度の指標のいじくりは認められると思うが、安倍政権ほど酷い例があるか。「信じて良いこと」と「信じられてはいけないこと」の区別が付きにくい。
しかし、今は「信じてはいけないこと」が多すぎないか。
厚生労働省の統計不正など不祥事の発生は酷すぎるが、前回も同様、担当大臣の更迭はない。野党は罷免を要求するが安倍総理は拒否、引責辞任させることは安倍内閣の求心力を落とすことになり出来ないのだ。何時も原因究明と再発防止に努めることでお茶を濁す。
大臣罷免該当者は片山さん、加藤さん、根本さん、麻生さん、下村さんら多いが、守り切れる要因は、やっぱり野党のひ弱さか。
口裏合わせも目立つ。森友問題の時もそうだったが、今回は厚労省の統計不正を知ったのはいつかと言うことになった。厚労相は12月20日と言うが菅官房長官、安倍総理は12月28日という。12月21日に確報値や閣議決定をしている。菅官房長官、安倍総理は不正を知っててやってしまったのではないかと野党はうたがっているのだ。
質問事項は予め通告されているので口裏合わせは出来るのだ。
野党は厚労省の統計不正はアベノミクスの成果を出すためにやったのではないかとみているが、政権は否定する。統計不正はあったが評価に影響していないと無理を貫く。
辺野古移設で「珊瑚礁は移した」と答弁していたが沖縄県知事は否定していた。今国会で追及され安倍総理は「防衛省幹部から聞いた」と答えた。環境破壊、軟弱地盤で設計やり直しなど酷すぎないか。県民投票に注目だ。
憲法改正は喫緊の政策課題から後退しているが、自民党案で自衛隊を明記する事で自衛権の拡大にならないかと追及されたが、安倍総理は従来の1,2項をそのままに自衛谷の存在を明記するだけで変更はないと言う。
改めて自民党の憲法改正草案を見たが「国防軍」の設置が出ていた。これと自衛隊の存在を明記するのとは本質的に違いがあるのか。
対ロ交渉での北方4島反感問題はどうなっているのか。従来の4島返還に変わりはないと言うが、プーチン大統領やロ外相の発言を見ると難しい。プーチンは日本からの経済協力に期待しているであって返還は「主権」との関係で難しい。
新しい国造りへの転換点と言いながらこのような国会審議で国民の支持を得ることが出来るのか。
安倍総理には内政、外交共に好都合な政策はない。寧ろ2020年のオリンピック、2025年の大阪万博に期待していると思うが過去の事例から内需拡大など「景気拡大」の可能性は少ないのだ。
成果を焦らず本音の議論をやるべきではないか。