会談決裂で分かったことの1つに北の交渉は、よく言われている金・労働党委員長ではなく、金・朝鮮民主主義人民共和国・国務委員長に肩書がかわったことだ。労働党ではなく、国家政府機関の責任者だったのだ。これで責任回避するつもりなのか。
第2回米朝会談決裂で分かったことは、「非核化」と「制裁解除」で双方がお互いに譲歩するだろうとの前提で思惑に大きな違いがあったことだろう。前情報ではトランプ大統領が功を焦って譲歩するのではと言う見方が大きかったが、蓋を開けてみると「席を立った」のはトランプ大統領だった。
びっくりしたのは金委員長だろう。大きく譲歩し「制裁解除」を期待したからだ。当然に責任問題が出てくるが労働党委員長に責任を取らすわけにはいかず、国務委員長に急遽呼び名を代えたのだ。
両首脳のこれからの対応ではトランプ大統領は続行の意思があることを伝えたようだ。時期は言わなかったが金委員長とのチャンネルはトランプ大統領の財産になる。
一方、北も急遽外相、外務次官が記者会見し制裁解除の考え方の違いがあったことを認めたが、トランプ大統領を批判する事はしなかった。
ところが、外務次官が「我が国務委員長同志は今後、朝米の合意造りに意欲を失われているのではないか」と発言した。国務委員長ってなんだと思って金委員長の肩書きを調べたら5つの肩書きを持っている。最高指導者として労働党委員長をよく使っているが、国、政府機関としては朝鮮民主主義人民共和国・国務委員長がある。
今回の米朝会談は労働党委員長ではなく、国務委員長が交渉に当たったのだ。これで金さんの責任が回避できるのか。
いずれにしても北は大幅な戦略見直しが必要になる。今まで通りの米国を説得すれば解決するという考えはダメかも知れない。一層のこと国連安保理の制裁があるので国連の場に交渉を移す手もあるが、そうすれば中国、ロシアが出て来て益々複雑な構図になってくる。
会談の可能性がある以上は核ミサイルは飛んでこない。アメリカはそれでも良いが、北にとっては国民生活も疲弊し金委員長への批判が高まってくるのではないか。「意欲を失う」なんて考えられないことだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿