2019年3月9日土曜日

「禁じ手」を考える:権力者、権威者の言動に注意を


ここ数日の新聞で「禁じ手」という言葉が目につく。ゴーン被告の保釈条件、大阪都構想で府知事、市長を入れ替えてのW選で目にした。サプライズを狙っての想定外の行為、人権に関わる事、公正公明な政治を害し、真相究明に支障来すが法には触れていない。特に権力者が使うと問題になる。

ゴーン被告の保釈ではサプライズを狙って変装したが専門家は「失敗だった」と言うし、弁護士も謝罪した。それは別として保釈を勝ち取るために監視カメラの設置など自由を束縛するような人権問題にも関わる条件を弁護側が提案し裁判所が認めた。

「人質司法」として長期拘留が世界から批判されていたがこう言う条件は良いのか。こう言う「禁じ手」が常態化することに問題はないのか。

大阪都構想に対して、もう一度民意を確認したいと維新の会の代表である大阪府知事と政調会長である大阪市長が辞職し、それぞれ反対の首長に立候補するW選に打って出た。

民意を問うのであれば住民投票すれば良いが、こう言う選挙になると知事/市長選、市議会/府議会議員選挙と直接民主主義と間接民主主義が入り乱れ、どれが民意か分からなくなる。やってはいけないことではないか。

更に今回のW選は松井さんのエゴだ。

安倍政権では余りにも「禁じ手」が多すぎる。権力者にとってやってはいけない事が多すぎる。

森友学園疑惑ではキーマンを海外に飛ばしたり財務省では配置換えで国会での参考人、証人喚問が出来にくくする。疑惑の真相解明を拒否するのだ。

更に証人喚問では野党委員の質問に証人が「刑事訴追の恐れがあるため証言を差し控えたい」と証言を拒否する。これでは何をやっているのか分からない。委員長が「証言拒否は自分が関与していると言うことか」と問いかければ良いのだが自民系の委員長は避ける。

外交ではトランプ大統領に「拉致問題解決」に口添えを頼む。本来は日朝関係だ。独自にチャンネルを作る必要があったが出来ていない。北は足元を見て日本を「招かざる客」と批判する。金委員長にも「どうして直接言ってこないのか」と正論を吐かされる。小泉政権で5家族の帰国に貢献した田中元審議官も独自のチャンネルが重要だと指摘していた。

トランプ大統領に口添えを頼む度に高額な兵器購入をお土産にしなくてはならない。「米国に7つの大工場」も手土産の一環ではないのか。

内閣人事局の悪用。忖度行政を促進させ公正で公平な国民へのサービスが安倍政権へのサービスに偏重している。

安倍政権のメデイア批判が酷すぎないか。政策批判が気にくわなければ報道の自由にも関わる言動をする。報道番組をチェックしているのだろう。報道の自由、表現の自由を侵害する安倍政権に憲法改正の資格があるのか。

また、メデイアの社長、論説委員、政治評論家などと会食、会談が多い。選挙が近づくと頻度が上がるようだ。こんな事をしていて安倍政権の政策を堂々と批判できるのか。

テレビの情報番組を聴いていると「昨夜〇〇さんと会い話した」、「〇〇さんの考えはこうだ」と紹介するコメンテーターがいるが、安倍政権の広報マンか。そんなコメンテーターの発言は信用しないようにしている。

今、内閣記者会で菅官房長官がテレビ東京の女性記者とやり合っている。記者の質問が気にくわないのだ。記者の質問は国民に代わって質問しているのだ。国民の「知る権利」を侵しても良いのか。

長期安倍政権の驕りが6年目で出て来た。権力者のやる行為には「禁じ手」が多い。

気を付けなければ足を掬われる時が来る。

0 件のコメント: