2019年3月19日火曜日

東京オリンピック招致:逆にイスタンプール、マドリードに決まっていたらどうなったか


2013年9月7日、ベノスアイレスの第125次IOC総会で2020年オリンピック東京開催が決まったが、当時候補で争ったトルコのイスタンプール、スペインのマドリードのどちらかに決まっていたら今、どうなっているか。

2020オリンピックが招致されたことで当時の招致委員会が賄賂を使ったのではないかという疑惑があがっていたが、フランス当局が昨年11月、JOC委員長の竹田さんを贈賄の容疑で捜査を始めたことで再び問題化し、いったんは容疑を否定したが竹田さんが辞任を決意した。

新聞報道によると、IOCの実力者の息子さんのシンガポールの会社に総計で2.2億円を支払いIOC委員への東京誘致運動を頼んだらしい。贈賄という見方とコンサルタント料で正当だと言う見方がある。

おそらくこの時期の資金提供は贈賄だろう。息子さんから招致委員会がどんなアドバイスを受けていたかが焦点になるだろうが、間に電通が入っている。竹田さんは電通にまかせっきりにしたか、逐次報告を受けていたかだが、報告を受け指示していた可能性が強いのではないか。

竹田さんも「自分は何も知らない」と責任回避していたが、巨額な資金だそんなはずがない。こう言う資金は出所、目的がはっきりしない。後になって追求すると資料がない、破棄したと逃げられる。長野冬季オリンピックの招致委員会もそうだった。真相は闇に葬られた。

しかし、今回は違う。フランス、ブラジルの捜査当局が関係しているのだから真相ははっきりするだろう。 そうであってほしい。

ところで当時のオリンピック招致運動はどうだったのか。賄賂工作をしなければ東京は取れなかったのか。どうもそうではなさそうだ。

当時、東京、イスタンプール、マドリードが手を上げていた。それぞれの都市に問題はあった。どこに決まっても頭が痛い問題だった。イスタンプールは難民問題、国内政情も不安だ。財政危機もあるだろう。マドリードも財政危機、経済不安があった。断念したローマも財政難、公的資金の不足、東京は電力不足、夏場の気候、さらに都民の支持が低かった。イスタンプールでは大規模なデモも勃発している。

他の二都市の敗因は財政問題が大きかったのではないか。途中で断念されたらみっともないことだ。そこは東京ということになる。

それでも選考過程では各委員はどうすべきかわかっているのに思わせぶりは発言、行動で招致委員会を惑わせた。利権を食い物にする。送る側も受け取る側も当然なのだ。

今後のオリンピック候補地は低調だろう。ローマは断念したし、ロスアンゼルスも辞退したらしい。だから候補地がだらだら決まらないようでは開催も覚束ない。先の先まで候補地を決めることで何とか解決しているらしい。

東京都民の支持も低かったことは理解できる。私も都民だが反対だ。豊洲周辺を国の資金も使って開発しようとしているのだろうが、アスリートの要望が膨らんで巨額な施設の建設になった。大会後は都民の税金で維持していくことになる。

アスリートとゼネコンとスポーツ団体、そしてオリンピック貴族のためのオリンピック誘致だ。一時のフィーバーはあるだろう。経済効果は30兆円とも言われている。そんなうまい話ばかりではなかろう。



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