2019年3月29日金曜日

日産・ガバナンス強化:ゴーン被告が去ってゴーン対策か


日産ガバナンスは諸悪の根源だったゴーン被告が去っていったのにゴーン対策をやっているように見えないか。ゴーン被告の「経営者不正」が明るみになりガバナンス欠如を省みて、日産立て直しのための外部有識者による「ガバナンス改善特別委員会」が提言を発表した。

過去の人となったゴーン被告に「日産が心配だ。強いリーダーシップが必要」と言わしめた発言は日産の経営の問題に迫るものではないか。

日産の歴史をたどると労働組合委員長、歴代経営者にはそれだけの独裁性、カリスマ性があったのは確かだ。それが日産の業績を悪化させ2兆円を超える負債にもなった。

経営者の質を問われることになったがゴーン被告の「典型的な経営者不正」で終止符が打てるのか。

特別委員会の提言は「業務執行」と「経営監督」を分ける内容だが、経営監督に重点がありそうだ。

それによると、取締役の過半数を社外取締役にし、取締役会議長には社外取締役が担う。社外取締役は定期的の会合を開くことになる。日産経営の権力の二重構造にならないか。

役員、報酬、人事がゴーン被告にゆだねられていたが、「指名委員会など設置会社に移行する。

業務執行では会長職を廃止し、日産のCEOをルノーの取締役や執行役員が兼務できないことになる。

監督ばかりが重視されコンプライアンスを含めた日常業務がどうなるのか。特に提言はないが、今でもゴーン被告のやり方に好意的な発言をする社員もいることを考えると経営陣と従業員とのコミュニケーションのあり方に問題があったのではないか。

日産は提言を重く受け止めできる限り実現していく方向で進めるというが、社外取締役の選任が問題になりそうだ。

日産の自主性がどこまで活かせるかだ。

また、ゴーン被告の不正行為にも言及している。金融商品取引法違反、特別背任罪に関する事実を認めた。ゴーン被告がそれぞれの事案でどこまで反論できるかわからないが事実と認定したのだ。

ところでこの一連の不正行為での現経営陣の責任はどうなるかだが、これに対しては言及を避けた。私は十分なチェックもせずズブズブの経営をしていた現経営陣にも大きな責任があり、ある時点で引責辞任すべきである。ゴーン被告の「クーデター」論を排除する必要がある。

そして、日産とルノーの経営統合の問題だ。不平等条約的な取り決めもあるがどうするか。恐らくルノーが要求したときに社外取締役会がどう判断するかだ。

日産の現在の状況はルノーとの経営統合に反対し「日産の自主性」を確保したいための「クーデター」ではなかったのか。だとすると社外取締役会重視の経営は問題ではないのか。



0 件のコメント: