2019年3月27日水曜日

改憲論議広がらず:前のめりの安倍総理の「功名心」だけではダメ、与野党で糸口を探れ


国会内外での改憲論議は広がらず、憲法9条改正だけの安倍総理の功名心だけでは改憲は無理だ。ここは各党の意見を集約し衆院憲法審査会で議論できる内容から始めたらどうか。世論調査でも憲法改正は国民に期待する政策では最下位に位置付ける。急ぐ必要がないのだ。

友党である公明党は慎重論、憲法改正に賛成だった維新の会も大阪W選での維新会vs自民府連からどうなるか。立憲民主は安倍総裁の下では改憲に応じられないというし、国民民主は議論できる環境づくりを謳っていた。

最近の動きを毎日新聞WEB版(2019.3.27)で見ることができた。

夕刊フジ主催の改憲派集会に安倍総理はビデオメッセージを寄せ「自衛隊明記し違憲論争に終止符を打つ、その責任を果たしたいという。

9条1,2を維持したまま9条の2で自衛隊を明記する手法で本当に違憲論はやむのか。私はそうとは思えない。むしろ活発になるのではないか。今は社会党が連立政権に入った時に「自衛隊合憲」の立場を取って静まっているだけではないのか。社会党は自衛隊合憲論を取ったためにその後、党は衰退の一途だ。

野党は国民投票でのCM規制強化を優先すべきだという。確かに自民党、与党は大量の資金を使って憲法改正賛成のCMを流すだろう。一方の野党はそれほど資金はもっていない。当然に規制強化を要求する。

民放などメデイアは賛成、反対に平等なCMを乗せることができるか。

自民党改憲推進本部の意見も分かれている。新しく本部長になった下村さんと今まで推進し役職を放された船田さん、安岡さんらの考えに違いがあり船田さん、安岡さんらの意見が正論だと思う。

下村さんは「職場放棄」発言で野党の信頼を失っている。その下村さんは、世の中は激変している、「教育の充実」は法改正だけでは対応できないという。

改憲4項目に上がっている「教育の充実」だが、野党も言うように何も憲法改正する必要はなく、法改正で十分対応できるのではないか。

船田さんは、4項目は一旦わきに置いて各党と新たな共通テーマを探したらどうかと提案、保岡さんもどんな内容から始めてもいい、野党が審議に応じられるように努力すべきだという。

私も船田、保岡案に賛成だ。与野党が同じ土俵に上がることが第一だ。ただ、上がったとたんに4項目提示され議席数で自民党に押し切られる危険もある。ここは与野党の信頼関係を築くことだ。

自民党案改憲4項目の9条改正、緊急事態条項、参院合区の解消、教育の充実ももっと専門家の意見も聞き入れながら内容を見なおしたらどうか。緊急事態の定義はいいとしても災害復旧には国民の私権の制限も必要になる。参院合区解消も国会改革、選挙制度改革とも関連する。国会議員の定数削減と関連付けて議論すべきだ。

安倍総理が憲法改正を自民党の党是として自分の任期中に果たしたい功名心が透けて見えるが、言われているように「日本のかたち」をどうするかだ。2年以内にやらなければならないテーマではない。

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