トランプ大統領が保護主義、二国間交渉に熱を上げている間に世界のリーダーを目指し習主席が「一帯一路」でG7メンバー国にまで手を差し伸べてきた。米軍の撤退、縮小、軍事費負担増は世界のリーダーとしてアメリカの存在が希薄になってきたが、その間隙をぬって中国の覇権主義が切り込んできた。
今まで多国間交渉で静穏を保っていた国際関係にも荒波が立ち始めた。
東南アジア、アフリカに次いで欧州でも財政危機にあるG7メンバーであるイタリアに一帯一路で「愛の手」(?)を差し伸べる習主席の中国に警戒が必要だ。イタリアは今回、東欧の玄関口になるトリエステ港湾開発などで3100億円の経済支援に署名したという。
中国寄りの政策に警戒する動きに「法的拘束力はない」というが本当か。
イタリアに次いで、習主席はフランスを訪問、中国はエアーバス300機の購入など450億ドルの商談をまとめたという。
マクロン大統領も中国のECでの影響力に警戒し、「二国間ではなく多国間交渉」を訴えパリでは中国、フランス、ドイツ、EUの4者会談をするという。
経済低迷、財政危機にある国に経済支援を申し出てインフラ、港湾、海上交通での協力を約束しているが、一方通行ではなく双方向でイタリア製品の輸出を目指す目的がイタリアにはある。
既にポルトガル、ギリシャ、旧共産圏13か国が一帯一路構想に参加、30か国に世界銀行、国連のトップも参加し国際会議を開催する。
でも、問題も抱えているという。
貸し付けた資金が生産的に使用されるとは限らないし、中国が見返りを望んでも期待できない可能性もある。輸出入など経済成長のための投資と思っていたが軍事施設になり、中国の艦船が停泊し商船の姿がないという。
また、借金が払えず、港湾周辺の土地を99年間中国に貸し付ける結果になる可能性も高い。100年後の世界地図を見ると各所に中国の飛び地ができていることにもなりかねない。
また、計画が途中で頓挫し、技術者が逃げている例も出ている。過去に日本と共同で開発した事業計画を資金面で中国に頼るようになり、日本が競争に負けたこともあるが、途中で中国が放棄したために日本が引き続き計画を進めている事案もあるらしい。
日本はどう参加するのか。以前協力する発言をしていたが、安倍総理は参議院の予算委員会で4つの条件を持ち出した。適正融資による対象国の財政健全性、プロジェクトの開放性、透明性、経済性の確保が必要と言う。
また、これだけ手を広げているが中国の外貨準備高も減少をたどり2030年には1兆7000億ドルになるらしい。共同事業をやっている中途で逃げられすべてを背負い込む事態にもなりかねない。
中国の借金も多いのではないか。対GDP比255%と言われている。現在のGDP 1200兆円とすると中国の借金は3000兆円になる。日本の約3倍だ。
中国が世界で経済活動するのであれば、もっと正確な経済指標を出すべきではないか。専門家の間では信用できないという声も聞こえる。
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