図 詳細は本文で 気象庁地震情報に関連する事項を記入した |
政府の地震調査委員会が日本海溝で起きる巨大地震の発生確率を見直した。3.11東北地方太平洋沖地震でのアウターライズ地震の発生が危険視されていたが、宮城県沖でM8クラスが0%から20%、M7クラスで90%に。何時起きても不思議ではない、「今かも」と言うことだ。
ただ震源域が複合して連動するM9はほぼ0らしい。
狭い日本に4つのプレートがひしめき合っている。プレートが接する場所で起きる場合は海溝型と内陸で起きる場合と別れる。政府は発生確率で表現すると低い地域は一安心、高いところでも防災のきっかけになっていない現状を心配し海溝型地震のランク(30年以内の発生確率)をX(不明)、Ⅰ(3%未満)、Ⅱ(3~26%未満 やや高い)、Ⅲ(26%以上 高い)とした。
地震の発生状況を新聞記事でひろってみた。
M6~6.9は年平均で17回、太平洋側で確率が高いがどこでも発生する大きさらしい。M4~4.9では900回という。
でも発生確率が低いからと言って安心は出来ない。2016年の熊本地震は当時0~0.9%と言われていた。
ところが最近政府の地震調査研究推進本部が千島海溝沿い十勝沖から択捉島沖にかけてM8.8以上の超巨大地震の発生が切迫している可能性が高いと発表した。30年以内に発生する確率は7~40%だと言う。津波の高さも18mに達し約5km内陸が浸水したという記録が残っている(読売新聞2017.12.20)。
その発表した次の日に北海道胆振地方中東部地震が発生、札幌厚正町で液状化を起こした。軟弱地盤だから建物の倒壊など被害が大きかった。
気象庁地震情報より |
そういうこともあったので千島海溝沿いの地震には注目していたが根室半島南東沖地震が3月2日12時23分に発生、M6.2,標津町で震度4、釧路、根室で震度3,青森、岩手宮城山形で震度2を記録した。震源域は千島海溝だ。
切迫していることが分かる。頻度を上げながら大きいのが来るのだ。
今、北方4島返還が問題になっている。平和条約後に2島返還と言うが、主権はロシアにあるとすればどういうことになるのか。安倍総理が慌ててロシアに譲歩することはない。千島海溝沿いに巨大地震が発生し、津波で4島が大きな被害を受ける可能性はある。その時ロシアが復興できるかどうかだ。復興できなければ4島を手放すことも考えられる。その時まで急がず待つのだ。
ところで地震予知はどうなった。余地でなくても予測でも良い。
FM電波、ラドン、大気中のイオン数量、地震雲などいろんな異常を関連づけて研究、警告を発した人もいたが地震研究者は見向きもしなかった。専門家は観測井の水位の異常などを観測していたが最近は聞かなくなった。
その代わりにGPSによる「ひずみ」、地殻変動観測が主流になったのか。東大名誉教授の村井先生が「異常変動全国MAPを公開(週刊ポスト)しているし「MEGA地震予測」を有料で提供している。GPS測定結果から4cmの異常がでると警告を発している。
地震に関する情報は探せばたくさんあるがそれをどう活かし防災に役立てるかだ。
気象庁の「最近の地震活動」(速報値)2019/03/02 00:00~2019/03/02 18:10に各海溝、海溝型地震のランク、震源域「ひずみ」蓄積しやすさ(YOMIURI ONLINE 2018.9.8)、スロー地震などの情報を書き込んでみた(TOP 図)。
南海トラフ地震は不思議な地震だ。M9クラスの南海トラフ巨大地震の過去に起きた地震の想定震源域区分は東海、東南海、南海、日向灘に別れるが当初は単独で発生が考えられていたが最近は3連動、4連動の可能性も有りM9の巨大地震になる。
政府の地震調査委員会は南海トラフで今後30年以内にM8~9の巨大地震が派生する確率を70%と試算した。
いろんな研究から発生時期を推定している。京大の鎌田先生は室戸岬の室津港の地震前後の地盤の隆起量のデータ解析から次に南海地震の発生を2035年と推測している(サンデー毎日2012.9.23)。
一方東大地震研究所の瀬野先生は南海トラフ巨大地震を破壊の様態などから検証した結果、次の地震は200~300年ごと推定している(「地震」 第64巻、第2号 2012.1 日本地震学会)。
一方で、研究が進むにつれて従来考えられていた震源域から地震が動いた断層の範囲から実際の震源域に拡大された。
更に、東海地震の想定震源域の南西側と髙知沖合のトラフ沿いに「大きなひずみ」の蓄積が見つかっている。海上保安庁の海底観測で分かったと言うが地震想定の見直しが必要になると言う(産経新聞2016.5.24)。
南海トラフ巨大地震に関しては時間が経つうちに発生確率は上昇するが、早くて15年後、まだ先で200年後と言う事か。
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20191.14掲載
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