景気が上向いたといっても税収は約67兆円、更なる景気対策、新型コロナ対策、自然災害対策などで国の出費は増える。それを赤字国債で補い約32兆円、国の予算は100兆円超えだ。
何だかんだと言って国、地方の借金総計は確か1225兆円、対GDP比220%で先進国一悪い財政状況だ。
それでも財政出動派やMMT理論提唱者は、「負債を気にせず、今こそ財政出動だ」と財政支出を煽る。財務省初め、財政健全化派はPBの黒字化を主張する。一方、経済界は景気の腰折れ対策で財政支出を言いながら、PB黒字化を主張する。
何時も日本の財政には疑問を持っていた。政治家や官僚は湯水のごとく税金を使う。一体我々の税金を何だと思っているのか。何かあると補正予算を組む。国会でいちいち野党の承認を得るのは面倒なのか、予備費をつけた予算案を掲げる。
そんな時、再び「経済気象台」を読むことが出来た。以前、連載を止めると報じていたので、何時も読んでいた私にとっては残念だったが、何故か今、特別に期間連載(?)を始めたらしい。
朝日新聞(2022.8.26)掲載の経済気象台「どんぶり勘定の国家予算」は財政に実態をよく説明していた。
それによると2021年度の政府予算は22兆円が使いきれていないという。又使う必要がなくなった「不要額」も6兆円あり、何のことはない役28兆円が使い残しなのだという。
何かあると補正予算を組むからその規模は大きくなる。142兆円の予算規模自体が税収の2倍だ。政府は人気取りでドンドン予算化するが、予算を使う地方はそんな能力はない。
国を二分化する安倍元総理の「国葬」も予備費から支出すると閣議決定したらしい。予備費を持っていれば政府は楽だが、国民にとっては自分たちの税金、自分たちの借金になるカネの使用が国会で審議されないのかと不満だ。
経済気象台は言う「会計の杜撰さだけでなく、政治に対する不信感も増幅する」と。
野党が臨時国会で質問しても「すでに使った後」だ。政治家は自分の人気取りに我々の税金を好き勝手に使ってはいけない。こういう考えが以前から、あるから、民主党に政権交代した時、役所の税金無駄遣いをあぶりだす「事業仕分け」をし、その実態をあぶりだそうとしたが失敗した。
PB黒字化も25年度という期間表示はなくなった。今でも25年では数兆円の赤字なのだ。
私たちの借金は人口1人当たり1000万円と言う。誰が本気で議論するのか。
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