2022年8月1日月曜日

幹細胞ブーム:「ES細胞」、「iPS細胞」そして、あの「STAP細胞」

 

再生医療として大きな期待が寄せられる幹細胞として「ES細胞」、「iPS細胞」そして不思議な「STAP細胞」が話題になった。山中先生の「iPS細胞」やその真贋が話題になり有能な研究者が自殺するという犠牲者を出した「STAP細胞」はメデイアで大きく取り上げられたが、{ES細胞}は地味だが応用が進んでいる。 

iPS細胞」に押されて終わったのかと思われていた「ES細胞」も開発した中辻京大名誉教授は「二者択一ではなく、目的に応じて両者が使い分けられている」と言うのだ。 

その中辻先生が私財の一部を投じて「中辻創知社」を設立し毎年数千万円を基礎生物学分野や恵まれない子供たちに勉強を教えるボランテイアを支援しているというのだ。「今の日本は若い人を潰している」と怒るのだ。先生の若いとき、ヒトES細胞をめぐる誤解や理解が進まず苦い経験があったという(朝日新聞2022.7.31「輝く人」)。 

ネイチャーでも中辻先生の退職を取り上げ、企業家に転じた人生を異例と評しているらしい。 

iPS細胞」が難病治療に応用が多く発表されているが、「ES細胞」がニュースになることは余り見ない。それほど地味な研究なのか。

そんな「ES細胞」でも注目したのは「STAP細胞」が再生医療に応用できるという発表だったが「ES細胞」が混入していた疑いが出たためだ。 

STAP細胞は、若い女性研究者の成果として発表されたのには驚いたものだ。早稲田大で水処理を研究していた助成がハーバード大の付属病院麻酔科のバカンティー教授の下で研究し、帰国、理化学研でひそかに研究していたテーマが理化学研究所の正式なテーマになった。

一時、脚光を浴びたが海外での追試が出来ないという報告も出て、疑わしくなった。理研も本人が追試する実験を試みたが成功せず、そのうちにES細胞の混入が問題になったのだ。 

中辻先生の記事を見て、思い出した次第だ。

 

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