2022年8月29日月曜日

どうなるウクライナ問題(46):プーチンの考えを踏まえた対応が必要なのか

 一体どちらが優勢なのか。毎日、新聞を開くたびにニュースに見入るが最近はウクライナが優勢か。米国の兵器供与の効果があり、ロシア側の施設、弾薬庫などを攻撃している。ゼレンスキー大統領は「クリミアを取り戻す」と言い出した。ロシアは兵員に窮しているのか刑務所の服役囚まで戦場に送り出しているらしい。

ロシアの天然ガスなどの輸出制限は欧州のエネルギー事情に大きく影響することはわかったが、供給を20%まで落としたが余剰分は大気中で燃焼しているらしい。一方、アルジェリアから天然ガスを供給する道も開けたという。

ロシアへの経済制裁がどう影響しているのか最近は情報が少なくなって来た。

いっぽう、プーチンロシアは制圧できた地域からロシア化を進めるという。避難民への経済支援、国民投票によって民意を確かめるらしいが、ゼレンスキー大統領は猛反発している。

今一番心配なことは、サボリ―ジャ原発だ。ロシアが占拠しているが敷地内、周辺部への攻撃を緩めていない。ロシアはウクライナが攻撃しているというが、誰が考えてもロシアだろう。

いつもの他人に責任を転嫁する。

十分かどうかわからない欧米の経済制裁、そして兵器供与だが、プーチンの行動は変わらないようだ。崩壊した旧ソ連邦の復活、ソ連の国土を取り戻す、旧ソ連邦民の安全確保でロシアの安全保障を確かなものにしたいのだろう。

そんな時、ウクライナの今後を占うのに参考になる記事が朝日新聞(2022.8.29)の一面、2面記事のトップを飾った。

米政権はロシアのプーチンを勘違いしていたという。ブッシュ、オバマ政権で民主主義を拡大し世界平和に導くためにロシアと協調路線を取ったのだが、プーチンを変えることはできなかったという。

ドイツのメルケル前首相も同じことを考えていたことは以前の新聞記事に出ていた。「まちがいだった」と言うのだ。

プーチンは早い時期に「NATOの拡大は誰のためか」「米国は国庫湯を踏み越えている」と不満タラタラだったのだ。

ジョージアやウクライナで親米政権が生まれ、NATO加盟が拡大していたのだ。

2012年プーチンが大統領になり、2014年クリミア併合を成し遂げた。オバマ大統領はプーチンを刺激しないように武器供与を見送ったという。

しかし、この時副大統領だったバイデン現大統領はしっかり対応しておかなければ10倍の代償が返ってくると批判したそうだが、残念ながらそう通りになった。

皆がロシアを「地政学上の敵」と考えていたが、米政権はロシアを「地域大国」に過ぎないと甘く見ていたのだ。

この根本的考えの違いが今のロシアの暴挙を許しているのだ。

新聞では、ウクライン侵攻が長期化する中で米国はどう動くべきか。希望的観測にとらわれず、プーチンの試行を踏まえた現実的対応が重要になると結んでいる

プーチンが始めた戦争、その出口戦略はプーチンの考え一つだが、今の考えに拘っていては解決策は見えない。


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