2014年6月22日日曜日

理研・STAP細胞不正事件(5):小保方さんは、何故「説明責任を果たす」自信があるのか

「体細胞の分化状態の記憶を焼失し初期化
する原理の発見」2014.1.29
5月8日日 本論文の取り下げ勧告
これほど各機関からSTAP細胞に対する疑問が提出されているのに、何故、小保方さんは自分が検証実験に参加し「説明責任を果たしたい」と言える自信があるのか。「ES細胞の混入」、「ES細胞とTS細胞」の混入を不正行為と考えていないのか、200回成功した事例で成功を確信しているのか。

今まで持ち上がっているSTAP細胞に対する疑惑は、「STAP細胞はES細胞ではないか」、STAP細胞からF1幹細胞を作ったと言うが「ES細胞とTS細胞が混入」していたのではないか。そして若山さんの記者会見の発表から「STAP細胞の証拠がない」と言うことになる。

私は素人で分からないが、小保方さんはリンパ球に刺激を与えてoct4の発現で緑色蛍光を発色させSTAP細胞を作製した段階とSTAP幹細胞以降の実験を別と考えているのではないか。すなわち前段は小保方さんの仕事、後段は若山さんの仕事で、疑惑が持ち上がっているのは若山さんの仕事の範疇と考えていないか。

STAP細胞作製まではやるが死滅する細胞も多く、なかなか成功は難しい。でも成功させたと思わすために「ES細胞」、「TS細胞」を混入させたのではないか。それを若山さんがキメラマウスまで作ったと言うわけだ。

でもこの考えは間違っている。STAP細胞だとして若山さんに渡したのであれば、全て小保方さんの疑惑になるのではないか。

小保方さんは否定しているが、「ES」細胞は小保方さんの研究室で見つかったと言うし、「TS」細胞も見つかれば小保方さんの不正行為は明らかだ。

小保方さんが「200回成功した」というのは、笹井さんが言ったように「緑色蛍光を発現した段階」なのだ。

ところが、理研の検証実験は小保方さんのアドバイスを受けていると言うが難航しているらしい。小保方さんが「なかった」と言うまでは決着が付かないのだ(読売新聞2014.6.22)。

改めて、理研のHPから「体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理の発見」(2014.1.29)を開いてみた。注意書きで本論文の取り下げを勧告したと記されていた(2014.5.8)。

何故、こんな分化した細胞を初期化することが考えられたのか。

細胞の分化状態をクローン技術、iPS細胞技術で初期化し多能性細胞、多能性幹細胞を作る技術は従来からあった。

小保方さんは、もっと簡単(?)に酸性溶液に浸漬することで初期化に成功したのだ。このような考え方は植物ではオーキシンなどの植物ホルモンを含む培養液を用いると初期化できるのだという。

理研の発表資料によると、小保方さんはマウスのリンパ球を用いて細胞外環境を変えることにより細胞の初期化への影響を解析した。化学物質や物理的刺激を加えて多能性細胞に特異な遺伝子Oct4の発現を誘導できるかどうかを検討、解析効率を上げるために緑色蛍光を発するように遺伝子操作されたマウスのリンパ球を使用した。

酸性溶液pH5.7で30分浸漬後、LIFを含む培養液で7日間培養し蛍光を確認するらしい。死滅する細胞も多く、7日間で1/5に、更に陽性細胞が出現するのは、そのうちの1/2~1/3だと言う。最終的には1/10に減るのだ。

簡単に短期間に出来る内容ではなさそうだ。チョット条件が狂うと細胞は死滅する。ここが小保方さんのテクニックなのか。理研がどの段階で検証実験に難航しているのは詳しいことは言わないので分からないが、この段階なのだろう。

だとすると、STAP細胞はなかったことになる。

更に、分化したリンパ球か、未分化の細胞かをライブイメージング法で検討したという。これは笹井さんがSTAP細胞であることの理由に挙げていた一つだ。

更に、酸性溶液処理以外の強い刺激でもSTAPによる初期化が出来るのか検討したそうだ。

その結果、細いガラス管の中を通し強い剪断力を加える物理的刺激でもSTAP細胞が出来ることを確認している。ただ強すぎると死滅するそうだ。

この方法はバカンテイ教授も言及しており、小保方さんの酸性液処理では再現が出来ないというニュースが流れると細い管を通す処理も必要だと新たな方法を発表した。

これに対して専門家は、重大な作成法に2種類あることに違和感を呈した。香港の研究者はこの方法でも再現は出来なかったという。

STAP細胞の作製も四苦八苦状態では、その後の実験は覚束ない。研究所のトップから論文作成を急がされていたことを考えると「ES細胞」「TS細胞」の混入という不正行為も可能性はある。

実証実験をやる前に小保方さんが本当のことを話すことが先ではないか。それでも不正行為をやっていないというのであれば、検証実験を続ける事だし、「不正行為をやった」というのであれば事件は解決するのだ。

「研究成果のまとめと今後の展望」で、今回の発見されたSTAP細胞による初期化は全く従来は想定していなかった現象である。その原理の解明は幹細胞や再生医学のみならず幅広い医学生物学研究に変革をもたらすという。

原理の解明が、今「STAP細胞の存在」で揉めている。

小保方さんは「200回成功した」とか「実証実験で説明責任を果たしたい」と強気の発言をしているが、どの実験段階までを言っているのか。

「ES細胞」「TS細胞」の疑いが上がっていることに対して「若山研究室で提供された以外は持ち込んでいない」というが本当はどうなのか。

弁護団が介在するコメント発表では、小保方さんの真意が分からない。それが混乱を招いている一因でもある。

「小保方さんが「なかった」と言うまで決着が付かない」と言う考えに科学者の倫理感が要求されている。

STAP細胞のアイデイア、実験が分担されていることも真実の追究が難しくなっているように思えるが、尽きるところはハーバードというブランド力を背景にする小保方さんに理研の研究者が惑わされないことだ。




0 件のコメント: