5月27日の第8回経済財政諮問会議は「歳出分野の重点化、効率化」が議題に上がり、教育、国土強靱化もPDCAサイクルを回し、質の向上、効率化を提言している。国の政策は一度決まれば変更もなく、寧ろ時代遅れの政策を継続することが多かったが財政健全化もあり歳出面での工夫が要求される。
民主党政権での「事業仕分け」は、税金の使い方を身近なものとして考えさせた功績は大きかった。仕分け議員の追求にしどろもどろの答えしか出来ない官僚に唖然としたものだ。
安倍政権になって、肝いりで復活した経済財政諮問会議だが、安倍政権の政策をヨイショする会議で事業仕分けほどの魅力は感じないが、議論した課題は「骨太方針」にも採用されるのだから無関心ではいられない。
面白そうな記事はメデイアも取り上げるが、27日の会議がどうだったのか、議事録を開いてみた。
財政健全化とも相まって、2020年度でのプライマリーバランスを見るとGDP比2%の赤字になるらしい。12兆円ぐらいに見積もられている。
だから、歳出分野での重点化、効率化は喫緊の課題なのだ。27日は教育、国土強靱化、地方財政が議題になった。
民間議員はPDCAサイクルで質の向上、効率化を目指せという。
今、民間企業では常識になっているPDCAも、国の政策にも活用することが重要であることはとうぜんだ。昔の政策を何の抵抗もなく税金を投入し継続する官僚に怒りを覚える。途中で政策を変更することなど官僚にとってはやってはいけない事、利権を手放すことにもなると思われているのだ。
「成長し続け、安心できる社会」実現のためには教育投資は不可欠で、未来の投資として一番有効な社会福祉政策と認めながらも文教関連も経済再生、財政健全化に向け、計画的に取り組めという。
大学は少子化で学生は減少しているが10年で130校増え、大学進学率は5割を超えるという。一方で教育の質は低下しているという。
その質の向上にはPDCAサイクルの確立が重要という。大学の価値を機能毎に比較可能な形で整理し、第三者評価を交えて公表し、その結果を運営費交付金の配分に反映させ手はどうかという。
公共事業の進め方としても国土強靱化についてはPDCAの徹底をしろという。一方国土強靱化担当相が臨時議員で参加し、アクションプランで活用しており、成長戦略、平時活用、有事の機能発揮、ソフト・ハード面両方の活用、PDCAサイクルを回す、優先順位付けは基本計画の重要な柱だという。
歳出規模についても見合いの財源確保なくして増やしていく経済状況にはなく、ボトルネックが発生していることを考えると重点化、効率化が重要になってくるのだ。
具体的にどう活用しているかは分からないが、政策目標、達成のための工程、目標をずれた時の修正、あるいは目標の修正など具体例で知りたいところだ。
又、財政制度等審議会の検討状況について麻生財務相から説明があった。
2020年度のプライマリーバランスの赤字は約12兆円が見込まれている。毎年2兆円ずつ収支をよくしていく必要があるというのだ。
民間議員は、歳出だけではダメで、成長戦略をしっかりやらなければならない。そのためには法人税減税だという。国際競争力を付けるにも実質税負担率を表面の税率ではなく、実質の数字で何をしていくか考えてほしいと提言する。
他の民間議員も、経済が悪かったから税収も減った。今はデフレ脱却、経済活性化に向けた大事な時期なので財政面で柔軟な対応が必要だという。
黒田日銀総裁も、2020年度にはGDP比で2%の赤字が残ることになる。法人税など恒久減税を議論する場合は、恒久財源として、社会保障の見直し、税制全体の見直しを合わせて行っていかなければならないと発言している。
経済財政諮問会議でどんな内容の資料が配付されたのか分からない。説明資料の添付も必要なのではないか。議事録だけではわからない。
民間議員はPDCAサイクルの活用を提言しているが、実際に行政に当たる官僚は、品質管理についてしっかり教育されているのか。
政策の重点化、効率化は官僚の意識改革が必要なのだ。そこのところがどうなのか。
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