2015年4月4日土曜日

民主政治の危機か:統一地方選で無投票当選22%の現実

誰が言ったか忘れたが「無投票当選が増えれば民主政治の危機だ」と。新聞報道によると今回の統一選で無投票当選が22%とこれまでの最高水準になったという。私も東京に移り住む前は地方の市会議員選挙を経験した。地方財政の問題から議員定数の削減、立候補者数も定員の5人超から1人へと大きく変わってきた。

定員の1人オーバーだと話し合いにより下ろすことも出来るがこれは法に反する。一方誰が落ちるかが主要関心事になり選挙戦は空虚なものだった。

15人ぐらいの定数だとトップの獲得票が2000票を越えるかどうかで最下位の当選ラインが見えてくるのだ。自称選挙通はその当選ラインをどう読むかの話ばかりだ。

でも、立候補希望者が減っていることは確からしい。

地方だと候補者は元議員、公務員、農業や商売などの自営業、企業の労働組合が主流になる。仕事を辞めなくては立候補出来ないことが多いので生活の不安もつきまとう。

この人に出て欲しいと思う人がいても家族のあることないことを掘り起こされるのを嫌って国政選挙への立候補の依頼を断った著名な大学教授もいた。確かに公人となるとメデイアの目はうるさい。

一方で自ら決断する人もいる。号泣県議として一躍有名になった元兵庫県議会議員も、誰かに政治を託そうと思ってもうまく行かない。だったら自分が立候補して政治に携わろうと決心した当初は良かったが、誰に教えられたか政務活動費の不正請求で失職する羽目になった。

そして現職議員の不正行為は政治家へのあこがれを削ぐ結果になっていないか。議員が職業化し政治活動費が第2の議員給料になっている。そこに不正がマンネリ化している。

最近では元衆議院議員経験者が再起をかけて地方議員に立候補したり、中央政界へ進出する足がかりに地方議会から始める人などいろいろ事情があるようだが、地方の町では定員割れもあって定員を確保するための努力もあるようだ。

地方財政、人口減、高齢化、社会福祉、介護、地域振興の他に地方独自の問題を抱えている。若い人たちが政治に意欲を見い出すことが出来るような政治環境は欲しい。

また無所属を標榜し共産党以外は分かりにくい政党所属になっている。恐らく政党色をぼかして広く支持を得たいという思いがあるのだろう。立候補者全てが「農業 無所属」だったこともある(共産党除く)。候補者にも差別化が必要なのではないか。始めてこう言う選挙に接すると誰に投票して良いか分からなくなるのだ。

投票率の低さ、無投票当選の増加は確かに政治の危機だ。

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