2015年4月15日水曜日

民主党よ何処へ(2):「底なし」か、「底打ち」かでは大きな違いではないか

民主党本部
民主党よ何処へ、統一地方選前半の結果から民主党の下落を「底なし」と見るか、「底打ち」とみるかでは今後の対応も違うし、有権者の見方も違ってくるのではないか。曖昧な総括は有権者を惑わすばかりだ。

投票率45%と言う低率では組織がしっかりして日常の活動が出来ている自民党や共産党は強い。反対に組合票に頼っているとは謂え、組織の弱い民主党には厳しいことは予想できた。

今回も自民党に反対する有権者は共産党や維新の党に流れたようだ。地方議員の獲得議席数が第2位になった共産党を見ていても分かる。

街角に張られた共産党ポスター
東京大田区久が原にて
政権への対立軸もはっきりしている。街に張られたポスターを見ても「フェアーな民主主義を」「海外で戦争する国にさせない NO集団的自衛権」「黙っていたら10% ストップ 大増税」「消費税を増税しても国の収入は増えない」「消費税10% 先送りではなく中止を」と有権者の目をひくキャッチフレーズが多い。

党が何を訴えているのか分かるが、民主党でははっきりしない。報道で分かるのは党内事情で立場をはっきり出来ないことで安倍政権を攻め切れていない。「政治とカネ」の追求ではブーメラン効果で民主党幹部にも疑惑がかかり矛を収める事態になっている。

そこで「底なし」か「底打ち」かの議論になる。

「底なし」とは、これからもドンドン悪くなり議席数を減らし分裂、解体の運命だ。選挙の度に議席を減らす社民党の姿が見えてくる。

一方、「底打ち」では、これから上昇機運と言うことになる。そのきっかけを何に求めるのか。何か一つでも改革のテーマが欲しい。自民党の敵失を生かす手もある。

民主党の「政権交代しませんか」では、自民党政権の失態が大きかった。政官癒着、「政治とカネ」「大臣の不祥事」郵政民営化のゴタゴタ、年金不正、そして「政権のたらい回し」と民主党は若手論客で国会審議に臨み「頼もしい民主党」の姿を国民に植え付けた。
無駄な公共投資もやり玉に挙げた。八ッ場ダムに中止の決断を下し「コンクリートから人へ」と方向転換した。しかし、自らの民主党政権で見直しし推進へと舵切りした。

マニフェストは有権者に改革を期待させたが、過度のマニフェスト依存はかえって首根っこを取られる結果にもなった。予算の手当もないままに政策が掲げられ実現不可能と野党から攻撃される始末だ。

200兆円を越える国家予算で5~10%の無駄はあるはずだと私も思った。10兆円の無駄のあぶり出しなんて簡単だと思っていたが、「事業仕分け」でも分かるように無理だった。しかしこの背後には財務省をはじめ官僚の上手い利権隠しがあったのではないか。

続く自民党は長引くデフレ経済からの脱却を目指しリフレ派経済を採用、アベノミクスの3本の矢でわかりやすい経済政策を訴え国民の期待に応えた。

今回の統一地方選でも大勝利(?)を納め、安倍政権は信任されたと勘違いして安保法制化に突き進むという。

民主党も政権奪還を目指すのであれば改革政党を標榜しているのだから「改革」を前面に出した訴えが必要になる。「底を打った」というなら次は上昇に向けた政策だ。

そして自民党との対立軸をはっきりさせることだ。

民主党野田政権の時、当時野党である自民党の安倍総裁との党首討論で「何時解散するのか」との問に野田総理は「約束してくれるなら明後日解散します」と明言し民主党政権は解散に打って出たが、ゴタゴタ続きの民主党政権に嫌気がさし自民党に圧勝をもたらした。

野田さんは、その約束を守っていないと自民党安倍政権を批判する。 

民主党が下野して最初の安倍政権と対峙したとき、民主党議員が「民主党政権でもやっていたことだ」と発言したが、安倍総理に適当にあしらわれた事もある。

民主党は民主党政権時の不甲斐なさを反省しているようだが、その時の政策などを再検証し自信を持って再挑戦したらどうか。

その過程で、党内の事情があってしっかりした旗印を挙げにくいと分かったら解党すべきではないか。そして野党再編に向かうべきだ。今の党内事情を抱えたままの民主党では有権者に不信を抱かせるばかりでメリットはない。


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