2015年4月7日火曜日

現在の社会現象に警告か:信大学長「スマホをやめるか、大学をやめるか」と新入生に問う

現在の社会現象に警告を発したのだろう。信州大学長が4日の入学式で「スマホをやめるか、信大をやめるか」と新入生に問うたというニュースを日刊ゲンダイWEB版(2015.4.6)で知り、朝日新聞DIGITAL(2015.4.5)の「あいさつ文全文」を読んでみた。

東大、京大の総長のあいさつ文は記載されたことがあると記憶しているが、信州大の学長の挨拶は珍しい。

その趣旨は、スマホ偏重、依存の風潮に警告を発しているように思う。スマホは知性、個性、独創性にとって毒以外の何物でもない。スマホの「見慣れた世界」にはいると脳の取り込む情報は低下し時間も早く過ぎていくという。そこで「スマホをやめるか、大学をやめるか」、スウィッチを切って本を読み、友だちと話し、自分を考えることを習慣づけようというのだ。

よく言ってくれたと思う。電車に乗ると昔は新聞や単行本を読んでいる人が多かったが、今はスマホでゲームに夢中だ。スクロールし何か検索している人もいる。なかにはニュースを見ている年配の人もいる。

以前JR・総武線に乗った時、耳に赤鉛筆、競馬新聞を片手に予想に熱中していた人を多く見かけたがこっちの方がマシなのではないかと思ったぐらいだ。

学長は「いままでの正解のある問題を解くことから、誰も解いたことのない問題、考えたこともないことを考える「知識の質」が問われるのだという。

また、学長は新聞社の調査で信州大は京大を抜いて「独創性」で第一位だったと紹介、学長は「独創性」の判断は「創造性」があるかで判断すると、「創造性」を育てるうえで心掛けなければならないのは「時間的、心理的にゆとりをもつことだ」という。

じっくり時間をかけて考えること、ゆったりすることが大切だと説き、5つの方策を提案している。


そのためには時間が早く過ぎていくスマホの世界はまずいのだ。そこで先の「スマホをやめるか、大学を止めるか」と言うことになるのだ。

その5つの提言は何も新入生だけの問題ではなく、今社会的に問題になっている認知症の予防にも役立ちそうなのだ。

1 学び続けること、新しい経験が得られて時間間隔がゆっくりとなる。

2 新しい場所を訪ねる。定期的に新しい環境に脳を晒す。

3 新しい人に会う。

4 新しいことを始める。

5 感動を多くする。

若者も年配者も健康で健全な精神をはぐくむためには参考になる信州大学長の「あいさつ文」だった。

最近も気になることがあったのだ。

携帯電話の調子が悪くてショップに行ったところ、「今なら2時間待ちです」という。「何故だ」と聞くと、入学式を迎え学割の予約が一杯なのだという。「そんな事をしているから川崎中一殺害事件のようなことになるんだ」と言って店を後にした。

でも年を取ると、本を読むのもおっくうになる。経済、政治、物理などに興味があるので購入し読もうとするが直ぐに欠伸が出てくる。最近、面白いと思って「科学神話の虚実 ニュートンのリンゴ、アインシュタインの神」という本を買ったが1日10ページほどしか進まない。「21世紀の資本」は「はじめ」の章をを読んだだけだ。しかし少しずつでも進もうと思う。

信州大・山沢学長の「あいさつ」に久しぶりの感動を受けた。



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