2019年6月20日木曜日

今日の新聞を読んで(260):金融審議会報告書拒否、審議委員アンケート拒否


参院選を控え安倍政権はとんでもない爆弾を抱えたものだ。金融審議会が作成した報告の内容が気に食わないとみると、安倍総理は「表現に不適正があった」と言えば、麻生担当大臣は「受け取り拒否」を宣言した。森山国対委員長は「なかったもの」と言いだし予算委員会審議を拒否した。さらに朝日新聞のアンケート調査に審議委員が回答拒否しているのだ。

民主政治を崩壊させる安倍政権の政治手口がまた出てきた。参院選への影響を危惧し安倍政権、官邸、自民党も火消しに必死だ。安倍総理は金融庁官僚を激怒したという。「大変な時に何をするんだ」ということか。

新聞報道によると、審議委員は21人、大学教授、エコノミスト、金融機関関係者、弁護士から構成されていると言うが恐らく御用学者や政権寄りの考えを持ったメンバーだろう。異論を呈しそうなメンバーを加えると「まとめ」もできない。

そのメンバーに朝日新聞がアンケート調査したら回答を寄せた11人中10人が回答拒否、10人が所在不明、たった1人が回答してくれたという。匿名であるが「多様な議論ができなくなり政府の在り方として非常に良くない。民主主義の根幹を揺るがす」と正論を吐いた。

しかしほとんどの審議委員が正式な回答を避けたのは安倍政権を忖度してのことだろう。自分たちが審議し、まとめあげた報告書について何故、正当性を主張できなかったのか。それだけの人材だったのか。

その中でも読売新聞の論説副委員長が、国民の資産形成の在り方を長期にわたり議論した結果、今後の政策の検討に全く生かされないのは残念」と正論を吐く。

「2000万円生活費不足」だけが独り歩きし問題の本質を歪曲化している。

昨日の党首討論でも年金生活者などの国民生活に観点を置いた質問を野党がしているのに、安倍総理は年金制度維持の観点から反論していた。

経済が成長していくと年金積立金で44兆円、10倍の運用益が出ているしマクロ経済スライドでマイナスすることにより持続可能性を担保することができたと制度維持の観点から成功しているというのだろう。

いつものことだが、同じ土俵上での議論になっていないから討議は空回りで、野党はそれ以上追及ができない。

ところで審議会でどういう議論がされたのか。

一般的に審議会のやり方を見ると、担当の官僚が基本的なスト―リーを描き審議会で審議委員が意見を述べ、修正、追加作業が繰り返される。結論をどうするかは官僚段階で決まっているのでストーリーもそれに沿っているのではないか。今回の報告書には多くの資料が掲載されているところを見ると官僚や審議委員にとっては自信作だったはずだ。

ところが意外なところが独り歩きし報告書の全体を否定する形になってしまった。

麻生担当大臣は受け取りを拒否したことは間違った判断だ。おそらく安倍官邸の意向を受けて仕方なかったことだろうが、麻生さんは以前も年金は破たんしているという考えだったという。

だったら財務大臣、金融大臣を辞任してでも年金制度の財政的問題をクローズアップすべきではなかったか。今まで麻生さんはいろんな意味で失言も多く、財務省の不祥事では責任も取っていない。ここで辞任していれば麻生さんの存在感も少しは出たのではないか。

こういう報告書で問題が出るたびに思い出すのはお亡くなりになった堺屋太一さんだ。

相当前の話なのでどんな審議会だったか忘れたが、堺屋太一さんが委員であるかどうかはその審議会の重さが違う。いろいろ審議し報告書をまとめる段階になり、堺屋太一さんは「自分がまとめるから官僚は手を出すな」と言って自分で報告書を作成したそうだ。

これこそ本当の審議会の在り方だ。

今の審議会を見ると政権のやりたいことを民間議員を含めた審議会で審議することにより「お墨付き」を得たことになり、国会審議もそこそこに法案が強行採決される。

安倍政権の政策をリードする経済財政諮問会議だってそうだ。安倍総理が出席し1時間そこそこの審議だ。提出された資料件数は多い。提案した民間委員や閣僚が次々に資料に基づいて説明し誰かが意見を述べ次に移る繰り返しだ。

議員提出の資料だって議員の主張点を聞き、官僚が作文をするのだろう。官僚がやりたいことをストーリーにし最後に記者を会場に招き入れて安倍総理が総括する。YESMAN を集めた審議会だから国民の民意など二の次だろう。国会審議の段階になり問題の不備な点が見つかり物議をかもすのが今の安倍政権の常とう手段なのだ。

安倍政権の民主政治を崩壊させる政治手法に鉄槌を下すのが来る参院選ではないか。

関連記事
2019.6.18掲載
老後2000万円生活費不足?:民主政治を崩壊させる安倍政権の政治手口



0 件のコメント: