大会が「有観客か無観客か」は大きな違いがあるだろう。IOC、組織委員会は興行収入から、そして菅政権は政治的判断から「有観客」に拘った。菅総理はギリギリまで感染者数の状況を見ていたが、東京の新感染者数が920人になったことで菅総理も「有観客」に拘ることができなくなった。
東京オリンピックを「安心安全な大会」に、「国民の安全、健康を守るのが私に責任」と言っていたのが誰だったのか。
大会会場を持つ首長は「一律無観客」を主張していたが、五者会談で「東京、首都圏は無観客、その他は自治体の判断」と決まったはずだが、ここに来て、北海道、福島が有観客から無観客に方針変更した。
そもそも新聞報道を見ていると、IOCバッハ会長は「東京の感染者状況が改善すれば無観客を見直すべきだ」とか「状況が深刻でない他県で実施したらどうか」と主張したらしい。日本でも他のスポーツのイベントが有観客で実施されているのに何故、五輪は別対応なのかというのだ。
だから、「感染者数に大きな変化が生じたときは五者会談で対応を検討する」との一文が入ったと言う。場合によっては途中から有観客にすることもできると言うことか。逆に言うと途中で感染者数が爆発的に増加した場合は「途中中止」もあると言うことか。
組織委員会の橋本会長は最後まで「有観客」の拘ったらしい。最後まで小池知事を説得しようとしたが小池知事は「無観客」を軸に見直しの姿勢だった。橋本会長は以前から「私はスリート、アスリートの立場で考える」と言っていたことがある。新しい大きな会場で多数の観客を入れ競技することに拘っていたのだ。
ところが有観客のはずの地方から異論が出てきた。
北海道は札幌が「有観客」を希望していたが、鈴木知事が急遽変更、深夜の記者会見となった。「無観客」に変更すると言う。北海道が有観客なら首都圏など他県から北海道に押し寄せる。それを回避できるかと組織委員会に問うと橋本会長はできないと言ったらしい。だったら「無観客」だと言うのだ。北海道は感染者数の増加に悩ませられていた。当然の判断だ。
続いて福島が「無観客」を言い出した。「北海道が無観客なら福島も」と言うのだ。地元の声を無視できなかったのだ。世論調査でも中止が多いのではないか。
しかし、福島の無観客は、大会の意義を大きく変えることになる。安倍前総理は「福島の復興を世界に」ということだったが、それがかなわなくなった。
しかしこの判断は正しいのではないか。有観客で大会を実施すれば海外のメデイアも殺到する。福島の復興状況を取材しに街中、住民に取材することにでもなればコロナ禍に襲われることになりかねない。
他の大会開催地はどうなのか。住民や青少年に選手の競技を見せてやりたい意向の方が大きいと思うが、感染防止対策は並々ならぬ努力が必要だ。クラスター発生と言うことにならないか。発生しても隠すか。
こんなことでも、「新型コロナウィルス感染拡大の中でも実施できた」と言うことを世界にアピールするのか。日本は海外の対策とは違って緊急事態宣言でコロナをコントロールできたとでも言うつもりなのか。
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