2021年7月31日土曜日

検察の民意が問われる?:安部前総理「夕食会」で2件「不起訴不当」議決

 

公的行事である「桜を見る会」に後援会員を多数参加させ、その前夜に「夕食会」を高級ホテルで開催した件に関して公選法違反、政治資金規正法違反に問われた安倍前総理が不起訴処分受けたことで弁護士らが検察審査会に審査を申し立てていた。

その審査結果が30日公表され、2件について安部前総理に対する「不起訴不当」の審議結果が出た。当然だ。総理大臣の座にあった現役の安倍さんにかかわる公選法、政治資金規正法違反事案は検察特捜部にとっても扱い難い案件であったはずだ。 

安部前総理は審議結果を受け、「私としては当局の対応を静かに見守りたい」と再び検察が「不起訴」処分にすることを期待したコメントを発表した。 

検察特捜部の政治家に対する事案に対して「かちかちの法解釈」にこだわり不起訴事案が多い。それに対して検察審査会が不起訴不当の審決を再捜査の結果、菅原前経済産業相が略式起訴された最近の事例がある。捜査を進めるうちに違反事例が次々に出てきたのだ。 

今回の安部前総理の事例でも家宅捜査もせず、十分な関係者から聴取していないことが指摘されている。現役閣僚、総理大臣では「手抜き捜査」が横行しているのではないか。事案が発覚すれば即、家宅捜索すれば多くの資料は確保できただろうが、時間が経つと関係資料を削除したり廃棄したり、口裏あわせで捜査し難い。 

参考になる事例として、経済産業相だった小渕優子さんの後援会で同じような事案が発覚したとき、特捜部は発覚後10日と言う早い時期に家宅捜索したことがあるが、後援会はPCHDをドリルで穴を開け破棄していたのだ。大胆なことをやると驚いたほどだが、もし政治資金規正法関連の証拠が集まれば、群馬県政に大きく影響及ぼすと見ていたのであくどい行為に出たものだ。 

しかし、小渕裕子さんは「分からないことが多すぎる」と議員辞職し、次の選挙で返り咲いた。 

安部前総理も見習うべきではないか。「知らぬ存ぜぬ」で責任回避できると思っているのであれば、この辺で一撃すべきだ。

新聞報道によると2件が「不起訴不当」となったようだ。一つは夕食会の費用補填は利益供与で寄付行為になり公選法違反になる。検察審査会は一部の参加者を聴取したり家宅捜索していなかったので証拠不十分としたのだ。 

2つ目は、後援会の「晋和会」の会計責任者の選任監督責任で政治資金規正法違反だ。後援会活動は国会議員と一体だ。国会議員は責任逃れしているが政治資金規正法から考えると議員に最終責任を負わせるべきだ。

今回はいずれも「不起訴不当」の判断だ。地検は再捜査するが「起訴相当」ではないために再捜査はどうなるか。 

安部前総理は「当局が自分を起訴できるはずはない」と見ているのだろうが、小渕優子さん、菅原一秀さんの事例からも不公平な判断があってはならない。

 

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