事故発生から72時間、救助活動も厳しい状況が続く。その一方で、土石流起点での土地の状況がわかってきた。大災害になって来たので関係者の証言もあいまいになって来たが、伊豆山での開発行為が原因のようだ。付近には宅地造成し別荘などが建っているし、業者によるメガソーラー発電も設置されている。
テレビの情報番組での起点付近の移り変わりを見ていると、残土を運び込み埋め立て、宅地造成のつもりだったのだろうが中途半端な計画で終わったか。
住民の証言では、トラックが廃棄物を満載し運び込んでいた。埋め立て地が崩れなければいいのだがと心配していたらしい。
埋め立て地の下流を見ると砂防ダムが設置され逢初川起点はこれより上流50mと言う標識が立っている。
沢伝いに急傾斜地に埋め立てし、新聞報道によると約60m幅で200mにわたって埋め立て、全体が7段で犬走をつくり重機などで固めたようだ。昔は眺望もよくベンチも設置、休憩できる場所だったようだ。そこが宅地造成(?)され眺望が一変した。
埋め立て宅地造成するにしてもこの場所は常識で考えても不適だ。事故が起きたのだから何でも言えるが規模が3000m2未満で届け出の必要はないというが、関連法規の技術基準だけは安全確保で守る必要がある。
伊豆山の頂上付近だ。降雨量、集域雨量(降雨量×薄いが集まる面積)の排水、現況での水の流れ(すぐに下流に逢初川の起点がある)、地下水、湧水の状況(災害後の崩壊面での湧水箇所が多数みられる)の把握は絶対に必要だ。
そして大事なのは、埋め立て物の崩壊防止策だ。埋め立て下部に大きな擁壁が必要ではなかったか。
周りから集まってくる総雨量を埋め立て地の周囲に排水溝を設置し、下流へ排水する。雨水が埋め立て物と交わらないことが必要だ。
埋め立て地に降った雨も表流水として速やかに集め排水する。
地下湧水はトレンチ、砕石、ヒューム多孔管を埋設し速やかに排出する。
崩壊前の現場写真を見るととてもではないが「宅地造成」ではない。安易な廃棄物埋め立て地ではなかったか。こういう事例が結構多い。後から住民が危険と騒いでも「後の祭り」だ。
規模が小さいからと言って手抜きの開発行為は許されない。事故が起きた後の処理を考えると事前の安全対策の方が安いのだ。
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