ポストコロナの日本経済はどうなるか、大きな課題ではあるが、「失われた20年、30年」と言われる日本経済を再生するには何が大事か。専門家は生産性の向上、IT技術、社内失業者のミスマッチ解消が古くから言われていることだ。
しかし一番大事なことは、企業の儲けを国民に再分配し、消費を拡大、国内経済を再生することではないのか。中曽根内閣、福田内閣での前川レポート、21世紀版前川レポートの提案がうまくいかなかった要因に「富の再分配」ができなかったことだと指摘する専門家が多い。
それが今も状況は変わらず、消費は停滞、経済の好循環が始まらない。
一昔前は、日本のGDPは米国(約1000兆円)に次いで第2位の500兆円だった。ところが日本のGDPは伸びず今も500兆円付近である一方で、米国は約2400兆円に。2倍以上の伸びだ。
海外市場を頼る輸出重視で、海外から「国内需要の拡大」という外圧が掛かった。それを受け、中曽根内閣で前川レポートが発表され、その後福田内閣でも21世紀版前川レポートが発表されたが相変わらずの輸出、海外市場頼みの日本経済だった。
經濟収支は黒字→経済摩擦→内需拡大が要求されるがうまくいかない。その要因に企業の儲けを国民に還元し、国民の収入増で国内消費の増加の経済の好循環が構築できなかったのだ。
今も、アウトソーシング、非正規従業員など企業は固定費に占める人件費の削減に努める。不安定な労働環境、国民の収入は伸びず消費は停滞の一方だ。
日本経済は長く円高(70円台)、株安(7000円台)に悩まされていた。安倍政権になって円安(110円台)、株高(29000円台)に持って行けたが、世界の投資家が日本を狙っていたタイミングと合って、アベノミクスという経済政策で安倍前総理は国民の信頼を勝ち得た。円安は日本の輸出産業を活気づかせ、再び外需頼みの経済だ。
しかし、先進国の経済に比べ、日本企業の生産性の低さ、ITへの対応の遅れ、中国とのサプライチェーン構築など問題点が指摘されているが、少子高齢化への対応は過大だ。
今の人口は1億2000万人、将来は7000万人の予測だ。しかし今でも1億人と言う人口はある。「コンパクトな国内消費国」を目指せと専門家は提言する。
高福祉国、北欧を例に挙げる。スウェーデンは高い技術で高額製品を開発、儲けを国民に再分配している。それでも十分に世界で競争できているのだ。
薄利多売、儲かる製品を東南アジアの安い人件費で生産し世界各国に販売、摩擦を起こしている日本経済とは大違いだ。
人口7000万人の小さな国内市場を維持していける経済循環の構築を目指すべきだ。
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