2019年の日産元会長・ゴーン被告の日本密出国の状況がマイケル・テーラー、ピーター親子の犯人隠避罪の公判で明らかになってきたが、検察は「類例のない大胆な犯行で職人的な熟達さが際立つ」とマイケル・テーラー被告に懲役2年10月、マイケル・ピーター被告に懲役2年6月を求刑した。
新聞報道によると下見、予行演習のつもりで東京のホテルから新幹線で大阪へ、関西国際空港で入れられる予定の箱を見たとき、ゴーン被告は「今晩出国する」と突然言い出し、予行演習のつもりが本番の密出国決行になったとマイケル・ピーター被告が公判で証言していた。
ピーター被告は「はじめからそうしようと思っていたはずだ」とも証言した。1日も早く密出国したかったのだろう。
東京から関西国際空港まで運よく誰にも見つからずこれたが、これから東京に戻り、別の日に又実行するとなると「うまく行く」とは限らないと思ったのではないか。
新聞報道によると、「異状に重い」と運んだ作業員が不思議がったが、チェックすることはなく無事PJで出国できた。出国すると直ぐに箱から出て、あぐらを組んで英語でとうとうと演説したと言う。
「お礼の一言もなく、傲慢な人間と思った」と公判でも述べていた。夫人が「拘留でひどい目にあっている」と言い、出国の依頼をしてきたが保釈中であり法には触れないと言うことだったので応じたと言う。これだけ時間をかけ何回の訪日し、周到に計画した積もりだしいが、肝心なところで手落ちがあったことになる。
ゴーン被告は拘留中、何度も保釈請求を出すが拒否され、面会なども制限されて人権を無視した長期の拘留を恐れ、世界に向け日本の司法制度の欠陥を指摘した。国内はもとより海外のメデイアも日本の司法を批判、国内でも制度の見直しの必要性が説かれた。
ゴーン被告は東京地検特捜部長経験の弁護士から「無罪請負人」と言われる弘中弁護士に交代、地裁もついに保釈決定をした。当然検察は罪状を否認しているし、逃亡、証拠隠滅などの危険もあって保釈に異議を唱えた。
マイケル・ピーター被告は日本の拘留を「公平な扱いを受けている」と感謝もしていた。ゴーン被告とはまったく違う印象なのだ。
2日の最終陳述では号泣しながら「反省している」という。恐らく情状酌量、執行猶予付きの判決を狙っているのだろう。
如何に騙されたとはいえ、密出国の手助けをしたのだ。日本の司法権の侵害は許されない。懲役刑で服役させ成績優秀で保釈するのが一番良いのではないか。
それが海外に逃げているゴーン被告へのメッセージにもなる。
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