高レベル放射性廃棄物処分場適正マップ 地層処分場施設レイアウト 読売新聞2017.7.29 |
もっとも放射能レベルの高い廃棄物(L1)が全原発から発生する量は8000トンと言われるが、その廃棄物最終処分は今後10万年にわたり深さ70m以上の安定した地盤に建設、300~400年監視すると言う。だが、その建設受け入れ先が決まっていないのだ。
廃棄物処分場が確保できないのに40年たった原発の再稼動が進む。関西電力は40年を超えた美浜原発3号機を再稼動させたと言う。もう10年も運転していない原発だ。安全上の心配もあるが、兎に角再稼動した。
他にも認可を得ている原発に高浜原発1,2号機、日本原発東海第2が3基、でも地元の同意が得られていないらしい。中部電力では島根原発に「合格証」が出ているらしい。
新聞報道では今年の電力8社の株主総会では「脱原発」を主張する株主が増えたというが、経営トップは「再稼動」推進だ。燃料に重油を使わないために収益面で大きな効果がある。東京電力でも原発再稼動は課題だ。再稼動による収益を廃炉作業の費用に当てるらしい。だから再稼動が認められなければ廃炉作業に支障をきたすのだ。
東電は福島第2原発の4基を同時に廃炉、費用は4100億円、福島第1原発は8兆円かかるらしい。東電は同時に10基の廃炉だ。これには最終処分は含まれていないのだからどうなるのか。
以前から保管していた資料から政府が発表した「科学特性マップ」(2017.7.28)が見つかった。高レベル放射性廃棄物処分場適正マップだ(読売新聞2017.7.29)。
処分場適正マップ 読売新聞2017.7.29 |
最終処分場は地上施設と地下施設からなり、廃液をガラスで固化したあと年度と金属の人工バリアで覆い岩盤に埋められると言う。だから用地も火山や活断層があるところは「好ましくない」とされそれ以外を「好ましい」と選別したマップを公開したのだ。1750の自治体のうち約65%が好ましいとしている。
マップを見ると、好ましい色分けされた地域は、南海トラフ巨大地震の震源域に入っており、震度7が予測されているのだ(読売新聞2012.4.1)。地下深く(10km以下)と地表近くでは揺れも違う。断層などが動くと地下深くでも影響は大きい。しかしこの辺は周囲が「スロー地震域」で囲まれ断層破壊の拡大をとめる可能性もあることが研究報告されている(毎日新聞2019.8.23)。
南海トラフ巨大地震 予測される最大震度 読売新聞2012.4.1 |
一時の収益に拘る原発再稼動は、科学的にも技術的にも愚かな選択にならないか。世界はCO2「実質ゼロ」を目指しているのだ。
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