2021年11月3日水曜日

当落の違いは何なんだ:[政治とかね]で甘利さん落選、安倍さん当選

 

今回の総選挙はベテランや不祥事の候補者の落選とともに、有権者が「世代交代」を要求されている面もあったが、「政治とカネ」で甘利・自民党幹事長が小選挙区で落選する一方で、「政治とカネ」にはじまり、あれだけの不祥事で民主政治の根幹を揺るがす事態になった安倍元総理が当選するなど「当落の違いが何だったのか」と不思議な感じがしないか。 

甘利さんは大臣のとき、秘書とともに本人も業者から金銭の授受があり贈賄の疑いがもたれたが、本人は不起訴になった。甘利さんは説明責任を果たしているというし、次の選挙で今回敗れることになった候補者に大差をつけて勝利し本人は禊は終わったと考えていた。 

ところが6年後の今回の選挙で当時の「政治とかね」の問題が噴出し落選した。現役幹事長が落選と言う不名誉なことになり、幹事長の辞任を申し出たと言う。 

甘利さんは新たな岸田政権で幹事長になり、安倍さん、麻生さんとも良好な関係と言うことで岸田さんを支えることになったようだが、新聞報道ではあらゆる面で権勢を振るったようだ。 

甘利さんは実力者としてのし上がったことが地元をおろそかにし、有権者の反感を買い、神奈川13区の選挙結果は太さん130,124票、甘利さん124,595票で落選、比例で復活できた。 

自民党の当選者にバラをつける会場でも甘利さんの気の毒な姿をテレビは映し出した。 

一方、政権時の恣意的運用で森友事件では民主政治の根幹を揺るがし、「桜を見る会 夕食会」では「政治とかね」の問題をさらけ出し、本人は不起訴でも秘書が有罪になった安倍さんは、山口4区で何と当選したのだ。安倍さん80,448票、竹村さん19,096票だった。 

誰が見たって安倍さんの悪行は野党が「負の遺産」と攻撃したほどだ。普通だったら落選だが、今回は前回に比べて2万票ばかり減ったという。

しかし、歴代続く政治家一家、民主政治の根幹を揺るがす結果になったことなど問題にしないのか。「政治とかね」だって後援会、支持者のためにやったことで有権者は「がんばれ」と言っているのか。 

田舎の選挙区では歴代の政治家一家は強いし、良い対抗馬が出てこないので不祥事を起こしても安泰なのだ。よそ者が批判しようものなら逆に結束し支持される。

良い例は群馬5区の小渕さんだ。政治資金規正法で不祥事が発覚し、小渕さんは大臣、議員を辞職したが、次の選挙では支持者が団結し守ったのだ。 

甘利さんの選挙区は都会で人口も増え、若者も多いようだ。「政治とかね」に厳しい見方をするし、地元での活動を怠ると忘れ去られる運命にある。 

甘利さんが落選し、安倍さんが当選した背景には選挙区事情が大きく影響している。

そんな安倍さんが自民党の中央政界で大きな影響力を発揮しているし、細田派の細田さんが衆院議長にでもなれば安倍派にでもなるのか。

自民党には世襲議員が多いというが、「世代交代」も必要ではないか。安倍さん、麻生さんがいる限り自民党は変わらない。河野さんが改革を訴えて小選挙区で21万票を獲得しても中央政界はびくともしないのだ。

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