2022年12月4日日曜日

今、134円台:150円手前で介入はなんだったのか、「市場の見えざる手」に任せろ

 

本当に今、為替を動かしているのは何なんだ。投機筋が売ったり買ったりで利益を確保するための激しい動きに財務省は警告する。企業の事業計画に支障きたす動きはマイナスなのだ。 

9月の中旬ごろ、145円で介入し142円まで円高にしたが、直ぐに元の値に戻り、10月に150円手前で又介入145円ぐらいに戻したが長続きしない。その後米国が利上げのペースを速めるか、鈍化するかのニュースで上下動を繰り返し、140円→135円と円高傾向で今、一時的にも134円台だ。 

では、あの介入は何だったのかと言うことになる。145円、150円を手前で政府が介入しなかったらどうなったのか。150円手前での介入がなかったら150円を超えていたのか。 

それは分からない。市場は日本がいくらで介入するかを試しながら売り買いしている。 

介入も高くつく。1998年6月は2.6兆円の共同介入だった。9月末は2.8兆円の単独介入だという。介入資金は外貨準備高125兆円ほどあるが直ぐに使える外貨預金は20兆円ぐらいで一度にできる介入は約3兆円だという。 

いずれも介入に限界があるのだが、介入しても数ヶ月で元の値に戻る。

今回も新聞によると企業は138円を予測して計画を立てていたそうだ。輸出企業は1円の違いで数百億円の違いが出る。本業以外に儲けている企業もあるのだ。 

しかし、為替の大きな動きは米国の「利上げペース」によるところが大きい。米国の雇用統計などが予測を上回ると利上げ幅が縮小する。パウエル議長の発言から円は135円まで上昇したというのだ。 

もう一つの大きい要因は欧米はインフレ対策で量的緩和を縮小、「利上げ」に動きが、日銀は相変わらず「量的緩和」の継続だ。当然金利差が出てドル買い円売りで円安が進む。円高に持っていくには日本が量的緩和を止めて利上げすればいいのだ。今後日銀に大規模量的緩和見直しの機運が高まるだろう。

新聞報道では円安が日本経済に大きな影響を与えている。介護職に従事する外国人が円安で賃金が安く、応募が減っているという。2030年にはサービス業で400万人、製造業で38万人の不足という。これは大きな問題だ。 

他にも日本経済は世界に後れを取っている。朝日新聞(2022.12.4)によると実質実効為替レートは1970年以降で最低レベル、日本の平均賃金もOECD34か国中24位、伸び率もOECD平均で10.6%だが日本は3.3%、実質経済成長日本は平均0.4%、OECDは1.6%、時給だって日本は1000円以下だが、オーストラリアは2500円から3000円、米国も地域によって違うが2000円ぐらいだ。 

収入が大きい分、生活費も高い。 

日本でも物価高が続く。今までの値上げは生産者も「客離れ」を心配し控えめだったというが、来年は4425品目で値上げが予定され上げ幅も平均で17%だという。度重なる値上げで消費者も値上げ容認の考え方に傾いてきたのか。 

輸入品の物価上昇にどう対応するか。物価上昇分を賃上げでカバーできるか。そうすると3%の賃上げといわず5%必要か。兎に角日本経済を世界で通用するためには日銀の「異次元の量的緩和」の見直しだ。利上げはあらゆる面に不都合を生じるだろうが、国民とコミュニケーションをとり旨く対応が必要だ。 

そのためには国民に信用のある強い政権を作り日本社会を立て直すことではないか。「保守」でも「リベラル」でもない。世界と付き合っていくには何をやるべきかだ。 

しっかりした姿勢を示せば、市場も反応し安定するのではないか。為替は「市場の見えざる手」に任せ無駄な介入は税金の無駄使いだ。

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