2020年11月11日水曜日

小さな記事の大きな課題(11):何故、「野党ヒアリングの見直し」論か、それに代わるものは

 なぜ、「野党合同ヒアリング」の見直しが必要なのか、それではそれに代わるものがあるのか。菅総理が出席する国会審議よりテレビで見る「野党合同ヒアリング」の方が面白い。野党議員に質問されて四苦八苦している官僚の姿を見ると何故か、愉快にならないか。しかし時には本音が出るが、政府答弁の域を出ない。

ところが、質問される官僚の側ではプレッシャーがかかり与党が「役人に過度の負担がかかる」と見直し論が出ているというのだ。

もしかしたら国会審議のお株を取られることを嫌っているのか、政府答弁と異なる見解が出てくるのを嫌っているのか。

思い出すのは民主党政権の時の「事業仕分け」だ。税金の無駄使いを回避するために仕分け委員が担当の官僚を読んでその必要性を問うのだ。私も数回見学したが、問題に上がった政策は、なかなか理解しにくいものが多かった。本当にいい政策は簡単に説明できるが、そうでない政策はダラダラと説明しなければ理解されない。

仕分け委員の質問の畳みかけに「私にも説明させて」と訴える女性官僚もいたほどだ。案件は財務省が先に選別した政策だったので、多くは「廃止」の判定だったが、「見直し」判定では官僚の焼け太りが目立ったし、「廃止」判定でも大臣折衝でほとんどが復活する始末で成果は出なかったか。

新聞の「野党ヒアリング見直し論」で、片山元総務相が「与党の政治家が説明責任を果たせ」と反論している。正論だ。

片山さん曰く「役人を痛めつける今のやり方は改める必要があるが閣僚や官邸の中枢が出てきて説明責任を果たす必要がある」というのだ。

例えば今国会で重視されている日本学術会議新メンバーのうち6人を任命拒否した理由の説明が要求されているが、菅政権は「個別の人事についてはコメントしない」と逃げていが野党合同ヒアリングで杉田官房副長官が関与していたことが分かった。野党は国会へ杉田さんの出席を求めているが、与党は前例がないと拒否している。

杉田さんが出てきて説明すれば済む問題ではないか。拒否するから何かあるのだろうと疑いたくなる。この問題は任命拒否だけでなく、「学問の自由」「民主主義」の問題だ。決して侮ってはいけない。



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