ニュートリノ観測に世界で初めて成功しニュートリノ天文学を築きノーベル物理学賞受賞した東大・特別栄誉教授の小柴先生がなくなったニュースが流れた。小柴先生にはいろんなエピソードがあるらしいが、「頭が悪かった」という話は有名だ。
今朝の朝日新聞天声人語で物理の成績が出ている。「優優良良良良良良良良良良可可可可」と言う。これを見て元気づけられる学生がいるかもしれない。
旧制高校の物理の教授が「小柴は頭が悪い、東大の物理学科に進むことはあり得ない」と言っていたのを聞き、発奮し猛勉強して東大物理学科に入学したらしい。大学院の先輩に理論物理でなく実験物理に進むことをアドバイスされ素粒子物理学に進んだそうだ。先生は頭が悪いので理論物理は無理だが測定する実験物理ならできると判断されたようだ。
先生は自分では頭が悪いと言っているが、本来素質はあったのだ。一時はそうだったが何かがあって夢を追いかけるようになると実力が出てくる。
学校の先生からのアドバイスも重要だ。小柴先生はアインシュタインの「物理学はいかに創られたか」という本を紹介されて物理学に興味を持ったという。最近のノーベル化学賞受賞者が「ロウソクの科学」を紹介され読んで化学に興味を持ったと話していたことを思い出す。
スマホ、ゲームに没頭せず本を読むことが重要なのだ。
また、「夢を追いかけるので苦労など感じない」ともいう。ニュートリノの観測は何時、いくつ観測水槽に飛び込んでくるかわからない。気の長くなるような努力が必要なのだ。
また、「教科書を疑え」とはノーベル賞受賞者のほとんどが言う言葉だ。その分野の大家の言うこと、教科書で定説になっていることを疑えと言うのだ。間違っていることが多いのだ。そこを疑って研究を重ねると新しい知見が生まれてくるのだ。
そして自然現象は物理の法則にしたがっている。日常の出来事も物理の法則で動いているのだ。
小柴先生は中学生に「この世で摩擦と言うものが無かったらどうなるか、記せ」という問題を出したそうだ。もちろん摩擦がなくなると鉛筆で紙に字を書くこともできない。正解は「白紙」だ。そんなことを考えたこともない中学生は驚いたという。
小柴先生が作った観測施設「カミオカンデ」は今「スーパーカミオカンデ」になり梶田先生がノーベル物理学賞を受賞した。ニュートリノには質量がないとみられていたが質量があったのだ。
その梶田先生は今、別の注目を浴びている。日本学術会議の会長として政府の任命拒否問題と戦っているのだ。小柴先生は日本学術会議栄誉会員だという。
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