2020年11月10日火曜日

米・大統領選を考える:二大政党下では二極化、分断は当然、連立は無理か

 「これが米国の民主主義か」と思うと情けなくなる。誰が選ばれても世界のリーダーとしての資格があるか。120年以上も分断、二極化問題があるというが、共和党と民主党の二大政党が原則8年交代で政権に就く。そうすることにより政策の偏りを修正するのだろう。

二大政党下では二極化、分断は当然なのだ。

前回の大統領選ではエスタブリッシュメント、ワシントンを嫌ったトランプさんが支持された。今まで政治からとうざけられていた白人層、職にない人、疲弊した企業城下町の人たちが立ち上がった。「アメリカ第一」「再び偉大なアメリカ」のスローガンは確かに魅力的だったが「トランプ第一」、国際舞台での孤立、同盟国との絆も不安定になり、ゆがみすぎたトランプ政策を修正し、品格、民主主義を取り戻そうとバイデン支持、勝利につながった。

バイデンさんは約7600万票という最大の票を得たがトランプさんも約7200万票を得、まだまだ支持されていると誤解している。頑として負けを認めていない。

驚いたことにここにきて国防大臣を首にしたというのだ。バイデンさんが勝利宣言している傍らで「俺はまだ大統領だ」と言いたいのだろう。

一層のこと、アメリカも連立政権にしたらどうか。ダメなのか。これじゃ政策を監視し合うことにならない。

連立政権になると、また大変なのだ。ドイツのメルケル政権のように相棒が反対に回ると政権が弱体化する。移民受け入れなどで反対され、EUを背負ってきたメルケルさんは引退するという。フランスのマクロン大統領、イギリスのジョンソン首相も苦労が絶えない。

一党独裁政権も新興国で軍部を背景にしているが、国民の民主政治を求める動くが激しい。中国、ロシアのような共産主義国では政権に反対する勢力の指導者が行方不明になったり毒殺された疑いも出ている。国内ではあまり問題になっていなくても国外では批判が強まっている。習主席やプーチン大統領は長期政権へ足場を固めようとしている。

一党独裁政権といえば、安倍前政権もそうではないか。

長期政権を目指し野党つぶし、政敵つぶしにかかり7年8か月という在位を記録し、レガシーづくりをしたが、民主政治の根幹を揺るがす政権運営は負のレガシーだ。新興国の軍部政権のやり方と変わりはない。菅政権は安倍政権を継承するというが、ちょっと変わった強権政治だ。

トランプ政権の最後がこの調子では親密な関係にあった安倍政権は何だったのか。お土産、ゴフル外交で頼みごとをするたびに高額な兵器の購入を約束させられる。「トランプ第一のビジネス外交」だったのだ。

バイデンさんで民主主義、国際協調、同盟国の絆が再構築できるか。4年目で政策の修正なのだ。




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