財政制度審議会は2021年ド予算編成で、新型コロナウィルス対策、経済回復そして財政健全化に言及し「三兎を追う厳しい戦いを強いられる」と強調したと新聞が報道した。
今、経済再生と感染防止対策は経済社会活動には必要と、GOTOキャンペーンに前のめりだが急速な感染拡大でGOTOトラベル、GOTOイートの一時見直しに踏み切ったが、菅総理はGOTOトラベルと感染者数増加の根拠などにこだわったという。
4000万人の利用者で感染したのは176人といえば、関連性に疑問もわくが、「人の動き」が感染拡大のきっかけになることぐらい常識だ。
感染拡大防止対策、経済再生には共に財政出動が必要だ。感染が拡大すれば飲食業などへの補償が必要になる。生活支援も欠かせない。
2020年度予算を見ると一般会計は102兆円を超えるが新型コロナ対策、補正予算で160兆円になろうとする。そのうち90兆円が赤字国債で賄うのだ。日本は先進国一財政状況は悪い。借金は1000兆円を超え、対GDP比230%だ。財務省は財政健全化を要求するが、政府は緊縮財政には踏み込めないのだ。
財政制度審議会は給付金など生活支援から生産性向上など民間主導の成長軌道へ戻せという。コロナ対策では非常時の支援が常態化すれば今後の成長の足かせになるというのだ。徐瀬尾欣也給付金の終了を提言した。
しかし、実際に今の段階でそういうことができるのか。少子高齢化など構造的課題への対応、医療費など国民負担増を抑えるための施策の必要性も説く。
どの国でもそうだが緊縮財政は国民の反感を買い、政府が不安定になる。
一方で、おかしな経済理論も出てきた。MMTだ。貨幣に印刷できる国は財政出動に励めという。赤字財政など気にするなというのだ。ただし、ハードルもある。議会の承認とインフレだ。インフレになるまでは大丈夫らしいがどのくらいかは示されていない。日本の専門家は一様に反対する。
また、借金は大きいが、純債権も大きい。差し引きすれば大した借金にはならないという専門家もいる。一時国会で問題になったがどういう質疑になったかわからない。
でも考えられることは、「二兎、三兎追うものは一兎も得ず」ということではないか。まずやらなければならないことは感染拡大防止だ。国民が感染防止にめどが付けば必然的に行動を起こす。消費が伸びる。それが必要な経済再生の条件ではないか。
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2020.5.30掲載 経済の本格的再生の時:国民が外出しても「安全だ」と確信できるとき yamotojapan.blogspot.com/2020/05/blog-post_62.html
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