2020年11月29日日曜日

小さな記事の大きな課題(13):本当に需要不足か、コロナ禍で供給過剰の顕在化か

 本当に日本経済は需要不足なのか、コロナ禍で供給過剰が顕在化しているのではないか。新型コロナウィルス感染拡大で経済は停滞、内閣府は7~9月期の需要不足約34兆円と発表したが、それでも4~6月期の60兆円に比べると縮小しているという。

個人消費の低迷で消費税増税以降、4回四半期連続だという。改善した理由は何なんだ。

消費や投資が勢いを欠くと言う。個人消費伸び→物価上昇→設備投資の経済の好循環がアベノミクスでも達成できないのだ。推進した安倍さんや浜田さんは「雇用が改善したのだからいいだろう」と言い出した。その雇用も実態は非正規労働者が増えているのだ。そして悪いことにコロナ禍で雇用は悪化している。

非伝統的金融政策の量的金融緩和で市場にカネをばらまき、低金利を維持するが物価は上がらず、投資も増えず長期デフレの傾向だ。各国中央銀行は量的緩和を採用するが効果はなく、専門家は「日本化」と揶揄する。

個人消費がなぜ伸びないのか。高齢化に加え少子化の人口減で市場は縮小気味、将来不安は教育や貯蓄に、緩和のカネはどこに行ったのか。

企業人も「もうかる仕事があれば借金してでも投資する」という。低金利など問題ないのだ。企業はあぶれたカネを内部留保、株、土地に投資する。内部留保はGDP規模だし、日銀のETF購入は株高を演出し官製株高を専門家は警戒する。

コロナ禍であぶりだされたのは供給過剰ではないか。観光業、飲食業を支援するために政府はGOTOトラベル、GOTOイート政策を打ち出す。プレミア付の政策なので普段以上に国民が参加する。「人の動き」が新型コロナウィルスの感染拡大にきっかけになっている。むしろ各業界は淘汰されるべきではないのか。安全を確保した優良の施設が生き残れるのだ。

「供給側がしっかりしろ」と言われているようだが、サプライサイドも成長力は弱い。

規制緩和、生産性の向上、働き方改革、デジタル化といつもと変わらない政策課題が上るが、物の生産という裾野の広い仕事は見つかりにくい。

経団連は何かにつけ政府に「お願い」ばかりしているが、ある経済団体の代表は「お願いばかりしていてはダメ」と警告した人がいる。中小企業は生き残りをかけ業態の改善に取り組み成果を出している。

しかし、国民が消費を伸ばすには、まず新型コ4ロナウィルス感染拡大阻止にめどが立つ時だ。政府は経済再生と感染拡大防止の2本柱より感染拡大阻止に重点を置くべきではないか。

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2020.5.30掲載、「経済の本格的再開の時:国民が外出しても「安全だ」と確認したときだ」 yamotojapan.blogspot.com/2020/05/blog-post_62.html







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