2018年8月9日木曜日

世代交代が進む自民党、信用できないが他にいないので安倍さん支持か


今回の自民党総裁選の前哨戦の状況を見ると、世代交代が進と同時に安倍さんの政敵潰しで次が見つからない。世論調査でも分かる通り「信用できないが他よりもマシ」で安倍支持が広がっているのだろう。

新聞報道では竹下派も支持候補を統一できず「自主投票」(?)になったようだ。平成研を前身として良きにつけ悪きにつけ総理を輩出した派閥だが、ここにも次がいない。

未だ影響力のある青木さんが参院議員を石破支持でまとめたようだ。古賀さんも宏池会構想もあり岸田さんで結集を図ったが岸田さんは次点にも届かない予想で出馬を断念した。麻生さんも「決断が遅すぎた」と批判する。

亡くなった野中さんも安倍政権には批判的だった。「戦争は起こしてはいけない」と安倍さんが主張する「憲法9条改正」に反対していた。

こういった長老達の動きも世代交代で軽量の中堅議員らが利権に群がり安倍支持に回っている。

元総理の小泉さんが「自分に反対する者は抵抗勢力」「自民党をぶっ壊す」と言えば拍手喝采で支持され、自民党長老達は萎縮した。

後で小泉さんが「自民党を何故、ぶっ壊さなかったのか」と質問され「自民党は変わったから」と答えていた。長老支配から抜け出たとでも言うのだろう。

しかし、その後の自民党は軽量さを否めない。内閣改造も軽さが目立った。その中で小泉政権で長老(?)の塩川さんが政権の重しとして財務大臣に就任したが、これが好評だった。「母屋ではお粥をすすっているのに、離れではすき焼きを食っている」と一般会計では国会でギュウギュウ締められているのに特別会計は官僚のやりっ放しを説明した。

又、候補者に良い人材が見つからなくなった。出て欲しい人は「家族に迷惑がかかる」と拒否する。選挙制度もあって比例区に候補者の名前を連ねるが、自民党が獲得票から獲得議席数が増え泡沫候補程度の人材が当選することになった。そこで問題は23回生問題として不祥事が話題になっている。
今の派閥は利権がらみの烏合の衆だ。大臣待機組の議員は安倍政権を支持する派閥であって欲しいと思うだろう。一方で政策マンでなくても大臣は務まる。一時の法務大臣はひどすぎた。出身団体の政治資金が多かったために大臣になれたが専門用語も分からず国会答弁は無残だった。

でも国会答弁は予め質問が提出され官僚が答弁案を作成し大臣は国会で棒読みすれば良いのだが、それも出来ず質問毎に官僚のアドバイスが必要な防衛大臣もいた。

大臣になっても所轄官庁を統轄できているとは限らない。

防衛省は日報隠し、財務省は森友問題で文書改ざんの荒技に出たが政権NO2の麻生さんは「つんぼ桟敷」だったのか国会答弁は財務局長に任せっきりで他人事のように大臣席に座っていた。

厚労省もひどい。働き方改革ではデータの不正使用があったが法案にも影響し一部先送りしで強行採決してしまった。

文科省はひどすぎる。助成金絡みで裏口入学では局長の逮捕者まで出してしまった。文科省の新築工事では国民に「改行宣言」して殊勝な事を訴えていたが、中身は何ら変わっていなかった。

政策も「骨太の方針」など予算獲得では主張するが、官僚からの政策提案で党内で政策を議論している姿は見えない。

石破さんが総裁選で安倍さんにテレビ討論を提案しているが安倍さん側は受けていない。論争は嫌なのだ。自民党の派閥は政策は二の次で利権がらみの烏合の衆だ。政策を重視すると野党のようにまとまらない?

それでも官高党低が問題化している。全て官邸が牛耳るので自民党の存在感が希薄になることを警戒しているのだ。岸田さんは政策調査に力を入れるようにボトムアップで強化すると言い出した。

又、小泉進次郎さんは若手、中堅で国会改革案を提出しが、逆に読むと今の自民党議員の体たらくを露わにしたようなものだ。

ところで安倍総理の政策の何処が良いのか。安倍政権を何故、支持するのか。
6年の総括と今後3年(?)の政策はどうなるのか。石破さんは政策を出版したらしいが、安倍さんは出馬会見で説明するのか。

得意な外交と言うが、カネをばらまいているだけ、対北、対中国は外交成果が出ていない。小泉政権時の外務省審議官だった田中さんは「北へ独自のパイプ
を作れ」と言うし、中国は尖閣諸島への領海侵犯を繰り返している。海保はきりきり舞いだ。

一方アメリカ頼みは危険水域にある。トランプ大統領は国際ルール無視でG7, G20でも一人浮いている存在だ。日本の安全保障を維持しようとすれば軍備補強にアメリカの兵器を導入しなければならない「国難」にあう。

経済面では成果を主張するだろう。アベノミクスは破綻しているが、雇用は改善、各種経済指標は、先行き不安もあるだろうが好転している。2%物価目標達成は日銀を縛り、出口戦略が出てこない。出口戦略で日本経済は大きく替わる可能性もあるが、それが見えてこない。

GDPを600兆円に伸ばそうとするが6割超を占める個人消費が低調だ。アベノミクスではトリクルダウンを期待しているが、企業の儲けを家計へ再分配する財政改革が必要だが、企業、富裕層を優遇する自民党政権ではどうか。

政治面では「モリカケ」問題を初め民主政治の根幹を揺るがす不祥事が続発し、安倍さんは「責任は私にある。立て直しに最善を尽くす」と言うが、自分が引責辞任することが一番の解決策である事が分かっていない。

自分の不祥事を攻撃するメデイアに対しても不当な干渉を繰り返す。アベノミクスの成果に論究すれば数々の経済指標を並べて反論し、MCが交代する結果にもなる。メデイアも萎縮している。

何やらトランプ大統領vs米国メデイアの構図にも似てくる。

どんなことをやっても支持者が付いてくるのだ。今、世界で台頭しているポピュリズムだ。

「しっかりした主張し、人を引き付ける」政治家が出てこないのか。
今、世論調査でも「次の総理は誰か」との設問に安倍さん、石破さんが20%台で名を連ねるが、30%超は「ここにはいない」という。

恐らく小泉進次郎さんだろう。でも小泉さんはまだ若いし、自民党は「出る杭は打つ」のだ。自分より若い者が出てくることに抵抗する。

小泉元総理が「自民党をぶっ壊す」結果、自民党議員は軽量の若手、中堅になってしまった。長老も引退し重しがなくなった。そこに安倍さんが力を付け一強独裁政治になった。

安倍さんが長くて今後3年続くとして、3年後の自民党はどんな政権を用意しているのか。

アクセル、ブレーキの踏み間違いを言われる石破さんか、優柔不断で禅譲を願う岸田さんか。それじゃ今と変わらないではないか。





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