2021年1月23日土曜日

菅総理はどのくらい持つか:大丈夫か質疑応答能力、政局を乗り切れるか

 

菅総理に期待していたわけではないが、ペーパーの棒読みは本当に菅総理の能力を反映しているのか。菅内閣支持率低下は政局の主導権に欠けているためか。官房長官として安倍政権下での難局切り抜け、総裁選では石破、岸田派を除く派閥が総じて菅支持で期待感は高まったが、実態は残念としか言いようがないか。 

特に記者会見でのペーパーの棒読みは一国のリーダーとしてはみっともない。 

ペーパーの棒読みは衆参の規則で禁止されていると法律書で読んだことがある。棒読みが目立ちだしたのは、民主党政権時、小沢さんが委員会などで野党の質問に大臣が知っていることを答え、従来細かい、技術的問題は出席している官僚に答えさせていたが、これを止めて大臣がすべてを答えることに改めたことだ。 

大臣でも所管の政策ですべてを把握しているはずはない。当然に官僚が翌日の質問者を回って質問事項を集め、担当の官僚が答弁書を作成、翌朝大臣はレクチャーを受けて委員会に出席することが常態化した。 

そんなにしんどい仕事でも国会議員は大臣になりたがる。当選回数で大臣になれる順番が決まるようだが、何らかの理由でなれない議員も出てくる。だから力のある二階派に鞍替えし大臣になれたH議員もいれば、すでに資格はあるがなりたがらない岡山選挙区のA議員もいる。大臣に付いたらあらぬことが表ざたになることを嫌っているのだが、そういう問題がありながら大臣になって恥を晒す議員もいる。 

著名な議員だったが、族議員ではない防衛相になったのは良いが、答弁が覚束ない。委員会では一番後ろの大臣席に座りその後ろを官僚が取り囲み耳打ちしたり、ペーパーの答弁箇所を示していた。 

本人は恥を国民や選挙民に晒したと思っていないのか。 

ところで、菅総理はどうなんだ。 

ペーパーの棒読み、読み間違い、それにも気づかず訂正もしない。答弁が短く時間が余ると野党からクレームがつくこともあるらしい。野党の質問、新たな提案にも従来の政策を正当化する発言しかしない。だから立憲の枝野さんから「正常化バイアス」と揶揄される始末だ。自分の政策が一番正しいと思っている。

安倍政策を継続しているというが、説明責任を果たさないのも受け継いでいる。さすがにまずいと気が付いたのか施政方針で演説で謝罪した。日本学術会議の新メンバーのうち6人を承認しなかった理由を頑なに拒み支持率低下の要因にもなっている。 

メデイアの報道によると官僚の間では「国家観が無くキャパが小さい」といわれている。施政方針では日本をどうしようとしているのか分からないという批判もあった。 

野党が提案している政策の見直しにも応じない。キャパが小さいのだろうが、菅総理は自ら政策を主導しているので、途中からの変更などプライドが許さないのだろう。 

政策運営に今こそPDCAのサイクルが必要になるが分かっていないのだ。 

ところで内閣支持率が下がる状況下で菅さんはどう振舞えるのか。 

東京オリンピックの是非は小池知事や森組織委員長、IOCに振り回されるだろう。海外からの観光客を受け入れたい菅総理は「新型コロナに勝った証」として「必ずやり遂げる」とビル・ゲイツさんにまで約束した。「国民の健康第一」ではないのか。 

緊急事態宣言の解除あるいは延長の判断を誰がするのか。宣言は総理の責任だが、対策は自治体の首長だ。また小池知事の官邸訪問が始まるのか。このシーンだけは避けた方が言い。「後手」と見られる。 

都議選は小池知事と二階幹事長に振り回されるか。都民ファーストの会と自民党都連の関係はどうか。また小池さんの二階詣でが始まるのか。 

衆院選で菅さんは「選挙の顔」になれるか。二階vs他派閥抗争が起きないか。二階さんでは公認争いが始まる。最終決定は菅総裁というが、菅さんは二階さんに担がれた総裁だ。主導権は得られないだろう。 

こんな見方をするとポスト菅」ということになる。海外では短命内閣とレッテルを貼られたらしい。こうなるとG7での存在感も? 

まずペーパーの棒読みをやめ、野党、専門家の話を良く聞くことだ。記者会見でも記者の質問に丁寧に答える姿がほしい。国民に要請する前に政治家から実践し国民の信頼を取り戻すことだ。「強面顔」はどうしようもない。

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