2021年4月8日木曜日

原発汚染水処理で政府と漁業関係者:海洋投棄の前に相互信頼があるのか

 東電・福島第一原発から排出するトリチウムを含む汚染水が敷地内にたまり、2年で満杯になり、急いで処理を決めなければ廃炉作業にも支障をきたす状況になり、菅総理が13日までに決断するという。

先に実施された菅総理ー岸全漁連会長、寺沢県漁協組合長らとの会談で、菅総理は「海洋投棄で決定したい」と言えば、岸会長は「反対」を表明したそうだ。相変わらずの平行線ではないか。

要は「納得のいく説明」と「風評被害に対する対策」に行き着く。海洋投棄説得の前に相互信頼があるのか。

有識者小委員会はすでに「海洋投棄案」を推奨している。濃縮してトリチウムを大気に飛ばしたりする案も検討されたらしいが処理費を考えると海洋投棄が安価だ。

安全だという根拠には、①トリチウムはこれ以上処理できない、②原発が稼働しているところではトリチム含有排水が海洋投棄されている、③IAEA,専門家も海洋投棄しかないという。

だから安全と言うことか。これに対してトリチウムを大量に放出すると周辺の海底ではどう挙動するか、蓄積するか、さらに海洋へ流れ出るのか。

風評被害もないとは言えない。三陸沿岸のヒラメ、タラでは放射性セシウムが検出されているし、東京湾では海底のへどろでセシウムの蓄積が見つかっている。

漁業に関係なければ「安全」と言えるだろうが「死活問題だ」と言う漁業関係者にとっては「反対」なのだろう。

13日に菅総理が強引に平行線を交わらせるか、漁獲をすべて政府が買い上げて処分するか。

「安全」と「風評」、オリンピックはすべてクリアーで解決しての開催ではないか。これじゃ福島第一原発事故の復興を世界にアピールできる状況ではない。

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