2022年1月11日火曜日

どうなる日本の原発行政:方針決まらず、ズルズル再稼働か

 

一体日本の原子力行政はどうなるのか。東京新聞(2022.1.10)の「3.11後を生きる 全国の原発の状況」を見ると、政府の方針が「再稼働ありき」の方針であることから再稼働が許されるかどうかわからないままの新基準への適合工事で巨額な投資をしているように思える。 

一方で、30件の訴訟を抱えている。美浜、高浜、敦賀など原発銀座と呼ばれている地域では、万一の時に琵琶湖が放射能汚染されると飲料水に使っている関西圏は大きな支障が出ることは確かだ。 

伊方原発も地裁、高裁で訴訟が進む。広島高裁では差し止め仮処分の申し立てが却下された。ここは中央構造線の断層帯が近くを通っている。万一の時の避難計画も杜撰らしい。岬の突端に位置するので陸路での避難が難しいのだ。 

玄海、川内も高裁で審議が進む。カルデラ噴火などでのリスクが高いのが争点になっている。当然だろう。 

訴訟になっても下級審では住民側が勝訴しても上級審では敗訴の可能性が強い。政府もそこら辺のことを考えているのか。 

事故前は52基あったようだが今は42基、廃炉が21期、稼働中はたったの9基、適合8基、審査中が10基、建設中または準備中は2基となっている(東京新聞2022.1.10)。 

政府の方針では2030年までに総発電量における原発依存を20~22%にするらしい。そうなると原発が30基必要になる。適合、審査中、稼働中を入れると27基、全基を動かさなければならない。更に寿命の問題も出てくる。再稼働は1回限り20年延長で、設備寿命は60年になった。 

海外ではもっと延長する動きもあるらしい。維持管理費も増えるだろう。 

更に使用済核燃料はどうなるか。政府は核燃料サイクル政策を進めていたが高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉を決めたというが政策は進めているという。 

また、原発の新増設は打ち出さないが、小型原子炉の研究開発は進めるるらしい。 

フランスをはじめ欧州では原発政策を推進する動きが出てきた。政府の政策に影響するだろう。 

最終処分場の候補地選びも進んでいる。村長は財政不足も影響し調査段階だけでも交付金(?)がもらえることを当てにしているが、住民は反対だ。

原発企業は、原油に比べ燃料費が節約でき、大きく経営改善できることから原発推進だ。

政府も地球温暖化対策では削減量確保には原発が欠かせない。

教育にも影響が出てくる。折角今まで築き、蓄積した大学での原子力教育も維持していかなければならないのだ。

総合的に判断するのは大変だ。ズルズル廃炉を先延ばしすることしかないか。


原発名

廃炉

適合

審査中

稼働中

訴訟

その他  設置数

北電 泊

 

 

 

 

      3 

電源開発大間

 

 

 

建設中   1

東北電力東通

 

 

 

 

      1

東北電力女川

 

 

1     3

東電福島2

 

 

 

 

      4

日本原子東海第2

 

 

 

 

      1

東電刈羽

 

 

 

5     7

北電志賀

 

 

 

1     2

関電美浜

 

 

      3

日本原電

 

 

 

      2

関電高浜

 

 

      4

関電大飯

 

 

      4

中電浜岡

 

 

1     5

中電島根

 

      3

中電上関

 

 

 

 

 

建設準備

四国電伊方

 

 

      3

九電玄海

 

 

      4

九電川内

 

 

 

      2

 

 

 

 

 

 

 

 

16

10

30

     42

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