2022年3月13日日曜日

どうなるウクライナ問題(13):プーチンは戦争に勝ち、勝負に負けるか

 

毎日のメデイアのニュースは「○○時のニュースです、まずウクライナ情勢から」で始まる常套句にもう聞き飽きた。とことんまで破壊されそうなウクライナの国土、首都に迫っているロシアの軍備、米国、NATO軍の直接支援がない状況を見ると戦争にはロシアが勝ったが勝負に負ける感じだ。 

ロシアの安全保障、ウクライナ国内の親ロ派人民共和国の平和維持のためにウクライナ侵攻を決め、「非武装化」「中立化」を要求しているが、逆にNATO加盟国、EU諸国は軍備強化、結束をかためプーチンの狙いに逆行する結果を招いた。 

マクロン大統領やシュルツ首相との会談も、プーチンのプロパガンダに利用され、停戦など毛頭ない。会談でのグロムイコ外相や国連でのネベンジャ国連大使の発言も「何を言っているんだ」と反感を持つが、要は彼らのロシア国内での地位保全のための発言だ。 

プーチンは国内での反戦ムードの高まりを危惧し、メデイアの統制をはじめた。意に沿わぬ情報を発信した場合は厳罰に処せられる。CNNなど海外メデイア、国内メデイアの活動停止に追いやられた。その結果、プーチンの支持は71%だ。しかしSNSや携帯、ネットでウクライナの状況は世界に発信されている。国民一人ひとりがメデイアの一員だ。

ロシアの圧倒的軍備でウクライナは簡単に陥落すると考えていたが、意外にロシア軍が苦戦している。ウクライナの抵抗が戦術的だというし、海外から提供された対戦車ミサイルも2万発だと言う。一方、ロシアには作戦のミスがあったという。ロシア兵90万人のうち20万人を投入しているが、士気が上がらず、兵站に問題が出て、キエフへの侵攻も遅れているらしい。驚いたことに16000人の中東の志願兵を投入するらしい。ロシア兵の死者を少なくするためか。

チェルノブイリ原発がこんなところにあると走らなかったが、ウクライナには原発が多い。それを制圧し国有化したと言うのだ。安全確保は出来ているのか。IAEAはそこのところを一番心配している。mン一事故でもあるとロシア本土も被害を被る。 

情報番組のコメンテーターが恩も白いことを言っていた。ロシアは国土が広い北朝鮮だと追うのだ。G7は最恵国待遇を取り消した。北朝鮮、キューバと同等に30%の高関税をかけるという。 

日米欧の経済制裁も専門家に言わせれば効果が出ているという。我々にも逆効果が出ているが、ロシア国内はどうなのか。有力企業が撤退、業務停止している。カードが使えない。引き出しも制限されている。店先には品物が少なくなっている。物価も高くなっている。 

情報統制したとしてもこういった変化から何があったのか分かるのではないか。 

GDPは170兆円、ルーブルが急落、物価上昇は10%と言うが、年末までには20%になるだろうと見られている。しかし、産業は天然資源しかない。しかもその開発には海外資金が使われている。日本だって北方4島、サハリンの開発に3000億円も出資しているらしい。北方4島の返還だって無理だ。プーチンはロシア国土の分割禁止の憲法改正した。

何やら、チェコの「プラハの春」を思い出す。198年の民主化運動阻止のためにロシアが侵攻したのだ。 

プーチン大統領、グロムイコ外相、国連大使の「うそ発言」には困ったものだ。国内向けの発言だろうが、人間として恥ずかしくないのか。今日の新聞の書評を読んでいたら、トランプ前大統領も集会で聴衆を煽る演説をするが、内容をしっかりチェックすると「大半がうそ」だったという。 

もう直ぐ分かるのか。プーチンは戦争に勝ち、勝負に負けたことが。

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