2018年12月1日土曜日

G20首脳会議:何の調整も出来ず、注目は2国間首脳会談か


またG20首脳会議がやってきたが、世界的な課題の把握だけで何も調整出来ず、大事なのは2国間首脳会談か。新聞で首脳会議の前の記念写真を見た。安倍総理は珍しくトランプ大統領の隣に収まっている。いつもは1列目か2列目の端っこの方だ。主催国側に何か思惑があるのか。

マクロン大統領は国の人気が低い。メイ首相はEU離脱で国内は混乱している。メルケル首相を探したが写っていない。どうしたことかと思っていたら搭乗機のトラブルで参加が遅れたらしい。移民問題で国民の批判を受け2021年には引退するという。前回の首脳会議で保護主義を主張するトランプ大統領を翻意させるためにトランプ大統領の席に詰め寄っていたシーンを思い出す。

自由貿易vs保護主義、米中も貿易摩擦、ロシアのウクライナ問題、地球温暖化問題、中国の覇権拡大など各国が自国の国益を守るために行動しているが世界全体を考えると多くの課題を抱えている。

全体会議で解決に向かう可能性は低く、2国間の首脳会談が重要性を増している。そのために首脳会議での宣言がまとまるかどうかは見通せないという。先のAPECの会議でも調整がつかなかったのだ。

全体を見渡すと

自由貿易vs保護主義の構図が大きい。トランプ大統領は2年後の再選を目指しているからアメリカの方針に変わりはないだろう。特に米中会談の行くへに注目だ。

地球温暖化対策への取り組みは「パリ協定」への対応だがトランプ大統領は離脱を宣言している。中国は排出量1位だが後進国枠での対応、アメリカは第2位だが離脱、日本は削減を頑張って世界の排出量の3.5%まで削減した。

気温上昇を1.5度に抑えるにはまだ相当量を削減しなければならず、放置すれば3.5度上昇するらしい。

世界の安全が脅かされている。それが中国、ロシア、米国と言う国連の安全保障常任理事国が当事者になっているのだから始末が悪い。ロシアの覇権拡大でのウクライナ問題には批判が大きい。G7からロシアははじかれたがG20でも可能性はある。

イラク、シリア、米ロ間中距離核戦力全廃条約でのアメリカの行動もきをつけなければならない。対トランプでの先進国の外交の不調和が中国、ロシアの付けこむ隙を作っている。自由主義のピンチでもある。

全体会議ではなかなか解決の道が開けないが、個別会談に期待ができるか。

米中間貿易摩擦、お互いに高関税に掛け合いになっているが、輸入額から考えると米国に有利だ。制裁関税第4弾で中国の輸入のすべてが含まれることを考えると中国は「休戦」を望んでいるのか。トランプ大統領は中国側の譲歩を期待している。知的財産、技術移転などは他国でも関係する課題で中国の構造的変化がのぞまれるのだ。

米ロ関係では一時トランプ大統領は融和策に出たと思ったが国内で批判を浴びる危険が出て中止した。ロシア問題は司法取引で今後どうなるかわからない。

日本もそれぞれに個別会談を用意しているが課題は多い。

G20首脳会議を利用しての個別会談の意味合いから、個別会談をアルゼンチンでやってついでに首脳会議ということになれば本末転倒だ。

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