2018年12月26日水曜日

これも米国発グローバリゼーションか、トランプ・リスクで世界的株安


NY株式市場653ドル安、東証1010円安の2万円割れ、為替も1円高の1ドル110円台に、小出しになっていたトランプ・リスクも市場が危機感をあらわにした。トランプ・リスクが最大になった感じだが、好転に向けての材料が見当たらず、これも米国発のグローバリゼーションか。

トランプ大統領は株安、ドル高を利上げに進むFRBのパウエル議長のせいにしているが、自分の政権の失政が大きく影響しているのをわかっていないのか。

世界的景気減速が叫ばれている中での米中貿易摩擦、政権運営の不安から米国発の世界的株安であることは誰だって予想がつく。

シリアから米軍の撤退に反対していたマテイス国防長官を更迭することは良識派閣僚が政権からいなくなることで世界は驚く。中間選挙で勢いを取り戻した民主党優位の下院では「つなぎ予算」が通らず政府の一部閉鎖となっている。

FRBが利上げを進めることはドル高、輸出不振で米国経済に与える影響は大きいと前々から警告しており解任するというが理由が理解できない。

パウエル議長を推薦したムニューシン財務長官も市場に資金不足を疑わせるような発言、行動で市場は何か隠された問題があるのではと疑心暗鬼になっている。

トランプ大統領は公約であるメキシコ国境の壁建設、移民、難民問題を突破しようとしているが民主党の反発が強く予算がつかない。衰退した産業、城下町、失業者を救うべく大赤字の対中貿易を解消するため中国などからの輸入品に高関税を吹っ掛け、中国も報復関税で戦争状態だ。

国際舞台でもことあるごとにトランプ大統領は「保護主義」を主張し自由貿易を擁護する中国、先進国である日本、ドイツ、フランスなどと溝が深まるばかりだ。

いつも株安になると安全資産と言われ円買いがすすみドル安、円高になる。なぜ、円は安全資産なのか。日本の安倍政権が安定しているためか。

そんなことはない。一見安定しているように見えるのは野党がふがいないからだ。安倍政権自体は多くの問題を抱え、政権はあと3年の期間しかないレームダック化している。

市場にカネを流せば円高→円安、株安→株高になると異次元の量的緩和を主体としたアベノミクスも破たんしている。FRBの利上げは円安に動くと思っていたが利上げペースを減速することは円高の傾向だし、新ルールとして為替条項を突き付けられることは円安への策がなくなることだ。アベノミクスは本来、円安施策だから日銀の量的緩和策も米国からの警告になるのだ。

経済成長率も先進国では最低、2%の物価目標も届かない。少子高齢化で社会保障費が増え、対中国で国防予算も増え始めて国家予算が100兆円を超えた。

税収増も期待されるが財政出動も多く、赤字国債は33兆円を超え財政再建はどうなるのか。すでに国、地方合わせた借金は1090兆円を超え、対GDP比245%、中国の対GDP比255%に次いで大きい。

赤字国債もEUでは対GDP比3%をルールとしているが日本は6%になっている。いつまで先進国が例外を認めるか。

安倍総理は外交が得意と言うがトランプ大統領との友好関係も怪しいものだ。主として安全保障、北朝鮮問題で頼りにしているようだが貢物が大きい。役に立つかどうかわからない兵器を言い値で購入し、トランプ大統領は「何か言うとすぐ買ってくれる」と安倍総理をばかにしている。防衛費の対GDP比1%枠も反故にしてしまった。

そして、自らの政治疑惑である「モリカケ」問題は野党の追及を受け続けている。国民も十分な説明を行っていないと批判する。他の政権だとすでに終わっている政権だが、なぜか安倍政権はもっているから不思議だ。

トランプ大統領は心配していた米国経済の減速も自らの失政が影響していることを早く認識すべきである。そしてそれが世界経済まで大混乱させているのだ。

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