2018年12月20日木曜日

最高裁、1.98倍で「合憲」判決:問題は「民意をどう国政に活かせるか」ではないのか


最高裁が「一票の格差」問題で先の衆院選では2倍未満のため「合憲」判決をしたが、問題は選挙において「国民の声をいかに国政に活かすことができるか」の民主政治の在り方ではないか。

それが憲法の「法の下での平等」という概念で「一票の格差」を議論するには原告弁護士グループの趣味の範囲を出ない議論ではないのか。

民主政治のあり方を考えるときに国民の身近に国会議員がいることは大事なことだと思う。だから各都道府県に原則1人の「一人別枠制」は理想であるが、東京など首都圏は人口増、一方地方は過疎化で人口減では「一票の格差」が出てくるのが当然だ。

この問題が提起されてから最高裁は3度にわたり「2倍以上は違憲」判断を下したため衆院選挙区画審議会設置法で「2倍以上」にならぬようにした。

何故、2倍以上はだめで2倍未満はいいのか。1.979倍は一般常識なら2倍ではないのか。

国会議員は決められた選挙区の代表と言うより全国民の代表ではないのか。そして今の政権の国会運営を見ればわかるが民意とは無関係に経済界、利益団体の要望で政策を実行している。議員立法は少なく、ほとんどが政府提出の法案だ。

だとしたら、各都道府県での選挙区単位でなくある程度まとめた選挙区で全体の国会議員数を200~300人程度に減員する選挙制度改革をやるべきではないのか。

最高裁の「合憲」判決を受け野党が抜本的定数削減を主張しているのは当然だが、国会議員が率先して自らの首を絞めるような決断ができないところに国民の悩みがある。

一人別枠、議員定数、2倍未満にこだわっていては、いつも「法の下での平等」が出てくる。今後も人口の増減で選挙区を複数に分割する自治体は増えてくる。
今回の最高裁の「合憲」判決が出たのは11年ぶりと言う。16年の都道府県の人口比で定数を配分し、アダムス方式を採用、20年の国勢調査後に導入するという。「0増6減」で97選挙区別に調整し2倍未満にしたようだ。格差を縮小させる状態が安定的に続き「一人別枠方式の影響」が解消されると判断されたのだ。

でも11人が多数意見の「合憲」で、反対意見は2人が「違憲」、2人が「違憲状態」だそうだ。衆院選自体が無効という判断には踏み込めない。立法府である国会の裁量に任されている。

ところが実際には22年以降の選挙からで実際にどうなるかは不透明なのだ。

今後も人口動態は変わってくるので、「法の下での平等」で一票の価値を議論すると難しくなる。ある程度選挙区を県単位を超えてまとめ、人口比例で議員数を配分していくことを考えなければならないのではないか。

国会議員の首切りを誰が言い渡すか。有権者だろうが、国会へ改正を提案するのも国会議員だ。自ら不利になるような議案を提出することなど考えにくいのだ。


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