2018年12月30日日曜日

安倍政権の6年間の評価、そして今後3年間をどう見るか


安倍総理の6年間をどう評価すれば良いのか。そして後3年間をどう付き合っていくか。

6年前、民主党政権から自民党へ、その前の自民党総裁選では安倍さんが自民党総裁に返り咲いた。国民は当時の自民党総裁の谷垣さんが出馬するのではないかと考えていたが当時の幹事長だった石原さんが出馬を強行し谷垣さんは出馬を諦めたのだ。安倍さんが総裁選に当選した後の挨拶で、野党時代の自民党を守ってきた谷垣さんの労をねぎらった。

続く政権交代をかけた衆院選では長い間日本経済は円高、株安に悩まされていたがその立ち直しにリフレ派経済学(?)を活用し市場にカネをばらまけば円安、株高になると主張、多くの国民の賛意を得て安倍総裁は再び政権に返り咲き、経済政策としてアベノミクスを発表、3本の矢を放ちその1本が「異次元の量的緩和」だった。

折しも欧州では日本の株安に目を付けていた市場は日本株に投資してきた。タイミングとして株高、円安は輸出産業を中心に息を吹き返した。

「2%、2年」の挫折

急激な金融緩和を嫌がる白川前総裁に変えてリフレ派(?)の黒田現総裁を日銀に送り込んだ。「2年、2%」、2年で、物価目標2%を達成すると言う語呂合わせ金融政策は国民に響きは良かったが、6年経った今も物価目標2%は達成出来ず2年の予定が先送りの連続で2019年になったらしい。

欧州各国の中央銀行が緩和縮小、出口戦略に向かっているのに日銀は「緩和継続」だ。安倍総理は出口戦略について黒田さんに任せていると言うが「自分の任期中に何とかしたい」と言ったようだ。

金融政策は一時の時間稼ぎ財政政策、規制緩和策が必要という

金融政策は一時の時間稼ぎだから政府の財政政策、規制緩和策が連動しなければうまく行かないという。ところが景気対策に財政出動すれば国の借金である赤字額は増え今、1090兆円、対GDP比245%にもなり先進国一悪い。中国が対GDP比255%と言う。

規制緩和だけでは緊急の対応が出来ないとみると戦略特区構想を打ち出した。ところが「モリカケ」問題を引き起こし憲政史上稀なる総理夫妻による大疑獄事件にまで発展した。

「モリカケ」問題

国会の責任追及で安倍総理は「私や家内が関係していることが分かったら総理、議員を辞める」と答弁したために財務省をはじめ関係閣僚の忖度政治が始まった。財務省の文書改ざん、国有地の格安払い下げという民主政治の根幹を揺るがす大事件に発展した。

その財務省のトップである麻生財務大臣が一切責任を取らず居座り続ける事で批判が高まり財務省の威厳は失墜した。

責任を取らない姿勢のまん延

これが責任を取らない政権の姿勢がまん延する結果になった。勿論それまでのことある毎に安倍総理は「責任は私にある」と認めるが何らの手も打たない。閣僚の政治資金疑惑や失言、暴言が続くが誰も責任は取らない。

「ご飯論」法

国会審議も野党の質問にまともに答えようとはしない。だから「モリカケ」問題でも国民は70%を超える国民が安倍総理の説明に納得していないのだ。外国人労働者受け入れ、働き方改革法案では根拠となるデータの不正使用でも曖昧な答弁を繰り返し最後は強行採決だ。スケジュールありきの国会審議で安倍総研は逃げ切りを図る。

憲法改正

政治生命をかけているという憲法9条改正だが、9条をそのままで自衛隊を明記する事で「自衛隊は違憲」論を封じようとしているがチョット無理ではないか。取り敢えず先の国会で議論を進めるように自民党草案の提出、憲法審査会の議論入りを目指し自民党の憲法改正推進本部の役員もお友達に入れ替えたがこれが裏目に出て、自民党草案の提案も出来ず国会は閉会した。公明党は慎重論、国民民主は議論の環境作りを訴えていたが立憲民主は改正反対、安倍総理の下では応じないと言う。

財政再建、PB黒字化

財政再建は喫緊の政治課題と常に言われているがPB黒字化は2021年まで先送り、2019年度予算は101兆円を超えたが、赤字は33兆円超だ。EUではルールとして赤字財政は対GDPの3%以内を掲げているが日本が6.6%でいつまで世界は認めてくれるのか。更に財政審は完全に黒字化するには更に40兆円の収入増が必要とお言う。

消費税増税はどうなる

それよりも来年の消費税10%への増税はどうなるか。悪いことにトランプ大統領に起因するリスクによる株の暴落だ。またまた延期になるのか。

更には増税対策として軽減税率が複雑さを増す。確実に税収増を狙えるがこれをやると効果が半減する。統一地方選、参院選を睨んだ対策だろうが考え物だ。何時も選挙対策で政策の趣旨が歪んでくる。

安倍政権送り出す政策は何処で作成され、誰が検討しているのか

お友達やYESMANによる〇〇審議会、〇〇諮問会議などが多すぎないか。そして内閣府でのYESMAN の登用もそうだ。何時何処で誰が審議しているのか。

国会審議のお粗末さ

国会での審議はお座なりでスカスカのザル法案がスケジュールに追われて審議されている。

経済財政諮問会議を見ても民間委員に、安倍総理が加わって約1時間の審議だ。恐らく民間委員が提案した政策課題に官僚が肉付けした資料により審議しているように見えるが多くの議案が次から次に説明され、1時間後の意安倍総理は総括し国会の委員会にかけられるようだ。

根拠となるデータもしっかり検討されないので国会で野党の標的になる。

得意の外交はどうか

何時もの政権と同じでアメリカべったりだ。北朝鮮の拉致問題では口添えのお願い、中国の尖閣諸島領海侵犯問題では「安保の範囲内」発言と重要な外交はトランプ大統領頼みだ。

手ぶらでは頼めないので貢ぎ物として「高額な兵器の購入」となる。予算の国防費は対GDP1%未満という枠組みは反故になってしまった。北朝鮮、中国問題は「国難」と言うが安倍総理自身が「国難」である事が分かっていない。

念願の北方4島返還はプーチン大統領に平和共同宣言後の実施を迫ばれた。平和条約締結後の2島返還という曲玉を返された。安倍政権の狼狽えは河野外相が記者会見で問われて「次の質問どうぞ」を4連発したことでも分かる。今環境整備中だというのだ。

安倍総理は国民から信用されていない

「安倍総理は信用できない」が「他の内閣に較べてマシ」という国民が40%をしめる。何時になったら信頼の出来る総理に日本を託すことが出来るか。

谷垣さんが総理になっていたら

病気で療養中も谷垣さんの政界復帰を望む声、谷垣さんを陣営に付ける考えはが大きかった。それだけ安倍さんでは心許なかったのだ。「谷垣さんがいれば何か変わったのに」という考えは専門家の間でも多くなかったか。

話は元に戻るが、谷垣さんが自民党総裁に選ばれていたらどうなったか。自転車事故で議員を辞めたが惜しい人材だった。

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