2018年12月4日火曜日

今日の新聞を読んで(202):「人手不足」の要因は雇用者による労働環境の悪循環ではないか


メデイアは外国人労働者受け入れに関し「人手不足」を報道するが、根本的要因は雇用者側の労働環境の悪循環ではないのか。経済界の強い要望があり内容の整備されていないスカスカの「ざる法」もどきの入管法改正法案を安倍政権は急いで成立させようとしている。

その経団連の会長が3日記者会見し、経済界として賃上げを受け入れる姿勢を示したが、「体力のある企業から賃上げ、従業員が働きがいのある処遇や環境をどう作るか、議論のベースになる」と発言した(読売新聞2018.12.4)。

当然の話ではないのか。

さらに、朝日新聞(2018.12.4)では「国内労働力には潜在的余力があるのではないか」と「人手不足が課題」という政治に疑問を投げかけている。

それによると、人手不足の有力な根拠とする有効求人倍率は介護や建設で高止まりしているが、総務省の就業率データによると職に就けない25~54歳の男性が相当数いるというのだ。就業率を20年前のように改善すると約40万人が職に就くというのだ(同上)。

さらに専門家は賃上げや労働環境の改善など企業側の採用努力がかけている可能性を指摘する。経営者は「低賃金労働」に慣れっこになっているのだ。

私の住んでいる町を歩くといたるところに求人募集の紙が貼ってある。介護施設、老人ホーム、コンビニ、宅配業者、医療機関、保育施設、バス車内には年から年中運転手募集、トラックの業者など掲示板や壁に仕事内容、時間、給与などの条件が記された紙が貼ってある。

日本の安全、街の安全を預かる警察官、自衛隊も募集中だ。

事業を維持したり拡大する目的があるようだが、なかなか充足しないらしい。

働いている人だって契約社員、季節労働者、アルバイトなど身分の不安定な職業についている。工場閉鎖で雇止めも出てきた。企業の合理化では固定費に占める人件費の割合がたかいためにまず人減らしから始める。日産のように会長は高給を得ながら首を切られる非正規労働者がこれからも多発するだろう。

雇い入れる雇用者側の労働環境、労働条件は働く人の生きがい、定着率を向上させるには一番の条件だ。特に人手不足の目立つ業種は3K職場だ。おまけに低賃金だ。だからより高い賃金を目指して転職していく。国会で問題になったが、技能講習中の外国人労働者の失踪が多いという。

リーマンショック後の人員整理、グローバリゼーションでの生産施設の海外展開で東南アジアの安い賃金と競争しなければならなくなった。海外展開→低賃金→国内労働者の賃金低下→非正規労働者の増加、そしてリーマンショックで人員整理したが好景気で仕事が増えてきても人員を増やさない、そこに過重労働が増え、体調不良、離職が増えてくる。

すべては雇用者の問題だ。

外国人労働者の受け入れも5年間で34万人を考えているという。でも肝心の待遇、発生するであろう社会問題、行政サービスの問題は民間任せらしい。以前から「同一労働同一賃金」がうたわれているが、安い外人労働者に合わすのか、高い日本人労働者に合わすのか。安い外人労働者に合わされては日本人労働者の賃下げになる。

外国人労働者雇用を望んでいる経営者は事業拡大か、それとも人件費の削減か。

アベノミクスも何だったのかと言う。賃金は伸びない、消費は増えない、物価2%は今だ未達で、異次元の量的緩和による長期金利も低率だが国内需要は拡大しない。マイナス金利、株の買い上げは銀行経営を圧迫、株式市場にも影響を与えている。出口戦略によっては景気の下振れ、日本経済の混乱も予想される。

雇用では女性や若者、高齢者の雇用推進を謳っているが、子育てでの労働条件、高齢者を採用する企業の労働条件、労働環境の整備が必要だし、社会保障制度も考慮して初めて雇用の確保ができるのだ。

雇用改善はひとえに経営者の責任だ。

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