2018年12月20日木曜日

ゴーン容疑者保釈?:日産に対する報復力が残っているか


東京地裁がゴーン容疑者の拘留延長を却下したニュースが流れ、情報番組で簡単に事実関係だけ報じられた。有価証券虚偽報告でこれだけ長い期間の拘留は海外で批判される現状を考慮しての東京地裁に判断だったのか。

今まで拘留中に徹底して犯意を否認していたことを考えると保釈後のゴーン容疑者の日産に対する報復が始まるだろうとメデイアは見ているがそうだろうか。

事件の発端はゴーン容疑者に協力して虚偽記載などに手を貸した日産の外国人執行役員が「もう限界」と内部情報を上部に上げ、司法取引しての発覚だった。

ゴーン容疑者がいくら「高額報酬の後払いを確定したものではない」と反論しても証拠書類は検察が握っている。

では何故、検察はさらなる拘留が必要だったのか。特別背任、脱税などの容疑を調べているのか。

一方、ゴーン容疑者が保釈後も権力を行使できるのか。

日産、三菱は会長職を解任したが取締役は残っている。ルノー本社もメデイアの報道によると現在は代行が置かれているが解任の方向だという。ルノー、日産、三菱の三社連合組織の責任者はどうなっているのか。

これだけの悪事が露わになれば「カリスマ経営者」としての評価は地に落ちているだろう。

確かに窮地だった日産を再建したことは事実だが、そのやり方は「コスト削減」だ。5工場の閉鎖、2万人に及ぶ従業員の首切りなどは日本人経営者だと人情があってできなかっただろう。ゴーン容疑者にはうってつけのタイミングだったのだ。

しかも、再建案は前社長が作り上げた内容でゴーン容疑者が作成したものではないし、ただ実行しただけだ。そこが大事だったのかもしれない。

その後のゴーン容疑者のコミットメントはことごとく未達に終わっている。市場率、利益率などは未達だと言う。カリスマ経営者として評価されていた頃は他社の社外重役も務め、コミットメントの重要性を指摘していた。でも自分のことになるとからっきしだめなのだ。

そんなことはわかっているので、取締役会や株主総会で自分の実績を訴えても誰も信用しないのではないか。

保釈後の居場所も問題だろう。指定されるし、移動するときは報告が必要、関連会社、関係者との面会も制限されるだろう。日産が提供したとされる施設への立ち入りはできない。押収された書類の返却などはないはずだ。

東京地検は準抗告する可能性もあるだろうが難しいか。拘留延長が却下されたこと自体も異例なはずだ。検察は新しい疑惑を理由に挙げることができるか。

相手がゴーン、ケリーという外国人容疑者だから日本の裁判所も批判の目にさらされている。

注目される検察との抗争、裁判になるだろう。



0 件のコメント: